【クオッカでもわかる】ワードプレスのGPLライセンス。有料テーマ、自作プラグイン販売時の考え方

自作テーマやプラグインを公開、販売したい方は、ワードプレスの正式なライセンス(GPLライセンス)をちゃんと知りたいと思います。 とはいえ、なかなかまとまった知識を体系立てて知ることは難しいかも知れません。 そんな時、素晴らしい書籍に出逢いました。 まえがきの結びはこのようになっています。 OSSはソフトウェア開発に直接あるいは間接的に携わる人たちだけの問題ではありません。私たち全員の問題でもあり、OSSに対する理解は多くの人に求められます。ソフトウェア開発実務に携わる多くの人にOSSについて知っていただけるよう願っています。 OSSライセンスの教科書(著:上田理 監修:弁護士 岩井久美子 出版:技術評論社) OSS(オープンソースソフトウェア)は、ワードプレスだけでなく、例えば携帯のAndroidやMac OSなど、広く私たちの生活を支えているものです。 私も読んでみて、その主旨に同意しましたので、特にワードプレスに焦点をあてて、わかりやすくまとめておきたいと思います。 なお私は法律の専門家ではありませんので、間違った理解をしてしまっているかも知れません。その場合はご指摘頂ければ幸いです。より詳しく知りたい方は、ぜひ書籍を手に取ってもらいたいと思います。 ちなみにタイトルのクオッカはこれ↓。 ワードプレスはなぜ無料? ワードプレスはGPL Version2というライセンスを採用しているフリーソフトウェアです。 このGPLはフリーソフトウェア財団(FSF)という団体が公開、維持しています。 フリーソフトウェア財団(FSF)を支えるのは「非フリーなソフトウェアは非道徳的である」という思想です。ソフトウェアは自由で共有可能で、社会の発展により役立つものであるべきだという考え方ですね。 WordPressがなぜGPLを採用したかというと 「開発の元にしたb2というソフトウェアがGPLだったため(※1)」 だそうです。 従って、WordPressもGPLのポリシーにのっとり、誰でも改変可能なものとして無料で領布されることになりました。その結果、多くの人が関わり、共有され、今でも発展を続けています。 なおGPLについて誤解されていることの一つは「全て無料であること」を求めてはいないということです。 フリーソフトウェア財団は「ソースコードを自由にしよう(改変可能にして共有しよう)」といっています。 それが最も重要で、むしろ保守サービスなどは求める人がいるならば対価をとってよい(ソースコードとサービスはわけられるべき)と公式サイトに記載しています(※2)。このことがテーマやプラグイン販売には重要ですが、詳しくは後述します。 ※1 WordPress を使うなら知っておきたい GPL ライセンスの知識【基本編】※2 GNU宣言 GPLライセンスって何? GPLライセンスは、前述の通り、フリーソフトウェア財団(FSF)が公開しているライセンス体系です。 公式版はこちらにあります。 https://www.gnu.org/licenses/licenses.html GPLは正式にはGNU General Public License(GNU GPL)の略です。 ですからGPLライセンスというのは、日本語としておかしいのですが、わかりやすくする便宜上、両方を使わせてもらっています。 なおGNUは”Gnu’s Not Unix”の略で、そこからFSFの創始者リチャード・ストールマンのストーリーが始まるのですが、本題とずれますので詳細は割愛します。詳しく知りたい方は上記GNU.orgの内容を読んでみると面白いと思います。 WordPressが採用しているGPLはVersion2 さて、GPLには1から3までのバージョンがあります。長い歴史の中で、改善されてきているのです。 WordPressが採用しているのはVersion2です。よくGPLv2と記載されますので、以後そのようにも記載します。v2のvはVersionの頭文字です。 こちらに原文があります。 https://www.gnu.org/licenses/old-licenses/gpl-2.0.html GPL Version2は原文ままを採用することが求められており、WordPressの公式サイトにも同じものが掲載されています。 GPLは「ソフトウェア利用許諾」です。つまりWordPressの著作者が我々ユーザーに提示する利用条件です。 重要な箇所を5つお伝えすると下記になります。 大切なことは我々がテーマやプラグインなどを 領布(配布)する時に適用する ということです。つまり自分で改変して自分で使っている分にはまったく関係ありません。 … Continue reading 【クオッカでもわかる】ワードプレスのGPLライセンス。有料テーマ、自作プラグイン販売時の考え方