投稿者: 森野誠之/運営堂

  • 丸山耕二がWordPressというOSSのためにできること、やっていること

    丸山耕二がWordPressというOSSのためにできること、やっていること

    ヒートマッププラグイン「QA Analytics」、UAのデータをバックアップし移行する「Analytics Backup by QA」、自社アクセス解析サービス「QA ZERO」。ウェブジョブズが提供している解析サービスは、すべてWordPressを介しています。

    SaaS型のサービスも多い中、なぜWordPressを使うのか?という疑問をお持ちの皆さんも多いと思います。そこで今回は、プロダクトマネージャーの丸山にWordPressに対する想い、これからのことなどを聞いてみました(聞き手:運営堂 森野)。

    WordPressとの出会いは2010年 ドキュメントの多さが魅力

    森野:まずは、丸山さんとWordPressのかかわりについて聞いていきたいと思います。2023年で、WordPressは20周年ですね。丸山さんが使い始めたのはいつからですか?

    丸山:WordPressが出たての頃、MT(Movable Type)が全盛でした。当時はWordPressのサーバーのスペックがそれほど良くなかったため、サイトに用いるのはどうだろうという風潮がありました。

    そんな中、2010年くらいにはじめてWordPressの案件が来まして、当時は詳しくなかったため、構築は外部の方に依頼しました。その方の進捗が遅れてしまい、「MTがわかるので、WordPressもたぶんできると思うのですが、手伝いましょうか?」と声をかけたところ、「WordPressを舐めるな、どれだけ苦労して勉強してると思ってるんだ」という具合にすごく怒られたのを覚えています。それをきっかけに、WordPressを学ばないといけないなと思い始めました。

    森野:MTはどちらかというと静的HTMLで、カスタマイズをゴリゴリやる感じではなかったですしね。最初の案件以降は、どうされましたか?

    丸山:学んでみたところWordPressは良いものだという感覚があったため、定期的に利用し始めました。自社やクライアントのMTで構築したサイトをWordPressでリプレースしたりしていました。

    森野:丸山さんが思う、WordPressの良いところとは?

    丸山:2016年にMTがバージョン6になり、オープンソース版がリリースされませんでした。それに伴い、必然的に他のものを選ばなければならないという課題もありました。WordPressの良いところは、裏側のテンプレートの作り方がMTよりもはるかにわかりやすく、構築した後のメンテナンス性に優れているところですね。気になっていたサーバーのパフォーマンスも、徐々に改善されていきましたから。

    森野:MTの再構築にものすごく時間がかかったりしましたよね。WordPressは拡張性が高いのが特徴ですが、それも理由のひとつですか?

    丸山:プラグインの便利さは感じていましたが、当時からプラグインは入れずに必要なら自分たちでやってしまうところはありました。良かったのはドキュメントの多さですね。WordPressのユーザーがどんどん増えていくにつれて情報も増えていったため、自然にWordPressの利用が増えていきました。

    森野:エンジニア目線で良いと感じ、それ以来使い続けているというところでしょうか。ユーザーが増えるにつれ、全国各地でWordPressの勉強会や集まりができていきましたが、参加されましたか?

    丸山:その頃は、ドキュメントを見てやれる範囲のことをやっていて、悩むことなく自力で解決していました。身近に詳しい知り合いがいたというのもあり、参加には至りませんでした。

    WordPressをOSとして3つの解析サービスを開発

    森野:2010年頃から継続してWordPressを使ってこられて、アナリティクス関連のプロダクトを作られていますね。ヒートマッププラグイン「QA Analytics」、ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)のデータをバックアップし移行する「Analytics Backup by QA」、自社アクセス解析サービス「QA ZERO」、すべてWordPressがベースです。なぜそこまでしてWordPressをというところが気になっています。

    丸山:理由は大きくふたつです。QA Analyticsが最初のプロダクトですが、作ろうと思ったのは自分たちが使いたかったから。サイト改善につなげるためのヒートマップ分析ツールはいくつかありますが、良いものはやはり値段も張る。WordPressで構築したサイトも多くなっていたため、自分たちでプラグインを作ってしまえば、便利じゃないかと考えました。

    もうひとつの理由は、エンジニア的かもしれませんが、WordPressをもっといろんな人に使ってもらえるようなソフトウェアにしたいという思いからです。WordPressは、エンジニアでなくとも、サーバーにソフトをインストールする際にあまり苦もなくできる、ウェブ業界で唯一とも言って良いソフトかもしれない。それが、世界でこんなにもシェアを獲得している。そこでプラグインを作り、日本製でも良いと認められたら、海外に広がって多くの人に使ってもらえるんじゃないかと考えました。WordPressをウェブサーバー標準のOSのように感じた、というところですかね。

    森野:ヒートマップのようなサービスを作ろうとしたら、普通ならWebサービスとして作るのではないかと思うのですが、そうしなかったのはWordPressのOS的なところがメリットだったと。

    丸山:少し話がマニアックになりますが、元々、Google アナリティクスだけで取得できるデータには限界があると感じていました。データ量が少ないと、推測できることも少なくなる。もっとデータを貯められたら、もっとたくさんのことがわかるのに、とは常々思っています。しかしながらそれをSaaSでやろうとすると、プライバシーの問題もあり、サーバーコストの問題もあり、データをたくさん貯めようとするほど、0円ではできなくなります。

    QA Analyticsのコンセプトは、データに基づくインスピレーションを与えるというもの。たくさんの人に使っていただきつつ、将来的には無料にすることもできるのではという構想も含むと、この方法しかなかったんですよね。

    森野:自社サーバーでデータを持つとプライバシーとデータ容量の問題が出てくる。ならばサーバーを別のところにしたいとなると、WordPressが最適だったと。しかしながら、そうしようと思って作れちゃうものなんですかね。

    丸山:開発には苦労がありました。前述のようにドキュメントが揃っているため、勉強会には引き続き参加していませんでした。ところが、2019年から開発を始めると、ドキュメントだけではつまずいたんですよね。ユーザーが利用するどのようなスペックのレンタルサーバーであっても処理できるように負荷を軽くすることを考えると、技術的な問題に出くわしまして、それで初めて勉強会に参加しました。そこで知り合いが増えたこと、元々インフラエンジニアだった頃の知識が噛み合って、なんとか作り上げました。

    森野:そのようにしてできたQA Analyticsは安定稼働していますよね。ダウンロード数はどれくらいですか?

    丸山:現時点(インタビュー時点)で2万3,251ですね。世界中でダウンロードされています。アクティブユーザーは1,000+で、たぶん実感からすると2,000弱程度なんですけど。

    森野:すごいですね。ではふたつめの、UAのデータをバックアップし移行する「Analytics Backup by QA」についてうかがいたいと思います。こちらは、どのような経緯でつくられたのですか?

    丸山:正式告知前から、UAはいずれサービス停止するだろうと考えていたため、QA Analyticsの設計段階から、Google アナリティクスとデータ構造を似たものにしていました。QA Analyticsの中に、Google アナリティクスのデータを入れることができれば、過去のデータと一緒に見られて良いだろうと。しかしながらユーザーの声を聞くと、WordPressを利用していない企業さんを含め、バックアップ単体ニーズのほうが強かった。そこでQA Analyticsを改造して、バックアップ専用のソフトにして使いやすくしたのがAnalytics Backup by QAです。今では大手企業様にも導入していただいています。

    森野:Analytics Backup by QAはWordPressのプラグインで、WordPress以外でも利用できるようにしたのが自社アクセス解析サービス「QA ZERO」ですね。

    丸山:QA Analyticsを使ってくださった方から、サイト改善に必要なものだけが入っていて、非常に使いやすいとのお声をいただきました。WordPress以外でも使いたいとの声も寄せられていました。そもそも当初から、自社解析サーバー構築ソフトウェアとして設計していたため、WordPress以外のサイトのデータも取得できるようにする構想はありました。ご要望に応える形で頑張って開発したら2年かかってしまい、ようやくリリースできたというところです。

    循環の輪が生まれるような貢献がしたい

    森野:ここまでくると丸山さんは、WordPressにおんぶに抱っこの状態と言っても良い。一方で、WordPressのコミュニティはボランティア的なところがあって、使い倒すだけの人はあまり歓迎されていないですよね。丸山さんも今後は、WordPressそのものに対し、何か貢献したいという思いはあるのでしょうか。

    丸山:もちろん、あります。「Five for the Future」というWordPressのプログラムがあります。未来のために5%、時間で貢献しようというものです。海外では、たとえばホスティングサービスのソースコードをボランティアでメンテナンスしている人たちがいますから、その思想には共感しています。

    WordPressのコミュニティに参加したのは、前述のとおり2019年が皮切りでしたが、僕の好きなタイプの人たちが集まっている印象です。元々は音楽家や小説家で、自分の人生が主軸にある。その上で、皆の役に立てるからとWordPressに貢献しているという。

    WordPressの元々のコンセプトは「パブリッシングの民主化」です。たとえばこれまで日が当たらなかったような人たちが、WordPressによってブログを書くことができるようになり、発信力を持ったらおもしろい社会になるのではないかといった思想がある。

    森野:たしかに、WordPressをはじめて自分でインストールしてうまくできた時って、感動があるんですよね。カスタマイズしたらできて、おもしろい。そういう感動があって、いろんな人たちが使っているんでしょうね。「Five for the Future」について、ウェブジョブズでは今後、具体的にどのような取り組みをする予定ですか?

    丸山:翻訳やプラグインのレビューなどコミュニティにはさまざまなチームがあるため、既存のものに参加することもできるのですが。僕たちは2019年からと遅めの参加でもあり、マーケティング寄りでそれまでコミュニティにいた人たちと毛色が違うからかおもしろがってくれていています。僕の知り合いをWordPressのコミュニティに連れてきたり、その逆も行ったり。新しい世界が広がるような活動がおもしろいと思っています

    森野:北海道のコミュニティの方と知り合い、コンテンツ企画をされたと聞きました。

    丸山:オープンソースのコミュニティとしてWordPress.orgがありますが、同じ創業者が設立した、​​Automatticという営利団体もあります。​​AutomatticがWordPress.orgに多額の寄付をしたり、スポンサードしたりすることで成り立っているところもあります。北海道で知り合ったのは​​Automatticのベンさんという方で、2月にタイで開催されたWordPressのイベントで知り合い、意気投合しました。

    ベンさんから相談されたのは、Automatticが公式としてコンテンツを発信していきたいが、どのようなものが求められているかわからないということでした。たとえば、アフィリエイターさんはWordPressを使っていることが多いため、日本アフィリエイト協議会理事のあびるさんにお願いして、代表の笠井さんをご紹介したところ、ベンさんに気づきが生まれて次々とコンテンツが生まれたといったことがあります。コンテンツ発信の取り組みは日本が初めてのようで、うまくいったら世界の他の国にもフィードバックされると、皆がハッピーになるのかなと思っています。

    森野:現時点では、コーディネーターのような役割をされているわけですね。丸山さん自身の発信はまだそれほどされていない?

    丸山:プラグインの開発をこんなにガリガリ、マニアックにやっている人もめずらしいということで、プラグインの作り方について発信したら良いんじゃないかと言われています。正直なところ、コミュニティもたくさんあるし、どの活動から始めれば良いのか、自分では絞りきれていないという感じです。手始めに、プラグインのレビューから始めるのが良いのかなと思ってはいますけれど。

    森野:丸山さん個人として、ウェブジョブズとして、何かしらの「Five for the Future」の還元は行うし、貢献していることをこれから認知してもらうというところですね。

    丸山:はい、僕個人だけでなく、チームのモチベーションあるメンバーにも貢献してもらえるよう、会社の体制を整えていきたいと考えています。WordPressが良いものだというのをもっと知ってもらいたいという気持ちがありますから。

    森野:WordPressに対して、もうちょっとこうなったら良いなと思うところはありますか?

    丸山:健全なお金儲けができる市場になったら良いなとは思っているんですけどね。WordPress.orgと​​Automatticの2社に分かれているように、営利と非営利のバランスで悩んでいるところではあると思うのですが。

    ただ、コミュニティの人たちを見ていると、すごくレベルが高いことをしているんですよね。それが伝わらないのがもったいない。たとえば、エンタープライズのCMSとしてはセキュリティが不安だといった印象でWordPressは避けられがちですが、アメリカのWhite Houseに採用されていたりする。それは、​​Automatticがサービスとして保証をしているからだと思います。そういう循環の輪ができていくと良いと思いますし、エンタープライズの視点から「Five for the Future」がより認知されるような活動をしていくのも良いかもしれないですね。

    森野:WordPressとのかかわり、OS的に活用した3つのサービス開発、今後の「Five for the Future」での貢献と、きれいな流れでお話がうかがえたのではないかと思います。本日はありがとうございました!

  • ユニバーサルアナリティクス→GA4への移行で知っておきたいこと。

    ユニバーサルアナリティクス→GA4への移行で知っておきたいこと。

    QAアナリティクスをお使いの皆さんもGoogle アナリティクスを使っている方は多いと思います。そのユニバーサルアナリティクスでの計測は2023/6/30までとなっていて、2023/7/1からは計測されません。となるとGA4移行する人が多いですよね。

    GA4への移行で注意する点を簡単にまとめておきます。

    筆者の予測も入っていますのでご注意ください。2023/2/2時点の記事です。

    1.ユニバーサルアナリティクス停止までに知っておきたいこと

    強制的にGA4のアカウントが作成される(オプトアウト可能)

    「We’ll soon configure Google Analytics 4 for you」

    と書かれたメールが皆さんに届いていないでしょうか?これなにかというと、下記リンクの告知のメールです。

    [UA→GA4] 自動作成された Google アナリティクス 4 プロパティについて – アナリティクス ヘルプ

    過去 12 か月間にヒットが発生した標準のユニバーサル アナリティクス プロパティはすべて、Google アナリティクス 4 プロパティの自動作成処理の対象となります。ただし、2023 年 2 月 28 日までに、この自動処理をオプトアウトした場合を除きます。

    • 過去12か月以内でユニバーサルアナリティクスにデータが送信されているプロパティが対象
    • 対象になったプロパティは自動的にGA4のプロパティが作成される
    • おそらく新規で作成されるので既にGA4のプロパティを作成していると余分なものが作成される
    • 2023/2/28までにオプトアウトすれば阻止できる

    ユニバーサルアナリティクス停止を知らずに「データがとれてない!」となるのを防ぐためなんでしょうが、知っている人には邪魔でしかない機能です。停止しておきましょう。

    強制移行と騒ぐ人が出てくるかもしれませんが、前述のようにGoogleとしては保険的に作成するつもりでしょうから、強制移行ではないと思ってます

    ユニバーサルアナリティクスのデータは残らない(はず)

    ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了します – アナリティクス ヘルプ

    こちらの記事にはこう書かれています。

    2023 年 7 月 1 日以降は、この日よりも前にユニバーサル アナリティクス プロパティで処理されたデータに、少なくとも 6 か月間アクセスできます。Google は、お客様のデータが重要であることを認識しております。この機会に過去のレポートをエクスポートすることを強くおすすめします。

    数か月以内に、既存のユニバーサル アナリティクス プロパティのサポート終了日についてお知らせする予定です。サポート終了日を過ぎると、ユニバーサル アナリティクスのレポートをアナリティクスの管理画面で確認したり、API を介してユニバーサル アナリティクスのデータにアクセスしたりできなくなります。

    「6か月間アクセスできます」なので、2023/12/31まではアクセスはできそうです。しかし、その先はわかりません。「数か月以内に」サポート終了日を教えてくれることなっていますが、この記事の最終更新日は2022/10/27です。既に3か月たっていますのでそろそろお知らせがないと困りますよね。

    そして、GA4のプロパティを作成することを考えるとずっと残してくれることは考えづらいです。

    ユニバーサルアナリティクスのバックアップは意外と大変

    ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了します
    「よくある質問 -ユニバーサル アナリティクス プロパティからデータをエクスポートするにはどうすればよいですか?-」

    現在、ユニバーサル アナリティクス プロパティからデータをエクスポートする方法はいくつかあります。

    次の形式でレポートを個別にエクスポートできます。
     ・CSV
     ・TSV
     ・TSV 形式(Excel)
     ・Excel(XLSX)
     ・Google スプレッドシート
     ・PDF
    ・Google アナリティクス Reporting API を使用してデータをエクスポート可能
    ・Google アナリティクス 360 をご利用の場合: BigQuery へのエクスポートも可能

    ユニバーサル アナリティクスのサポート終了日までに、データのエクスポートに関する詳しいガイダンスを発表する予定です。

    「レポートを個別にエクスポート」ということは見たいレポートを選択してちまちまとダウンロードするしかありません。期間が長くなればサンプリングがかかってデータが間引かれる可能性もあるので、数か月の単位でダウンロードするという気が遠くなる作業となります。

    さらにCSV形式でダウンロードしたものをグラフ化しないと意味がないですよね。いくつかのファイルに分割されたものをくっつけて、それを加工してグラフ化…これをも気が遠くなります。

    Reporting APIとBigQueryでエクスポートしたところで、何かしらの手段を使って集計とグラフ化をしないといけません。これも面倒。

    じゃあ、Googleがこのあたりを面倒見てくれるのか?といったらそれはないでしょう。グラフ化してくれるのなら、終了するといっているユニバーサルアナリティクスを残せば良いですから。

    【宣伝】Google Analytics Data Backup By QAならバックアップはなんとかなる

    Google Analytics Data Backup by QA

    Google Analytics Data Backup By QAをご利用になると、ユニバーサルアナリティクスAPIの連携後、自由にユニバーサルアナリティクスアカウント内の全プロパティのビューデータを移行可能です。移行したデータはユニバーサルアナリティクスより使いやすいと評判のQAビュー画面でいつでも自由に閲覧できます。BIツールを使ってのデータ加工は不要です。

    簡単に言うとユニバーサルアナリティクスのデータをQAアナリティクスで見てしまおうということですね。詳しくは上記リンクからご確認ください。

    実際に私もユニバーサルアナリティクスのバックアップ方法で困っていて、このツールの開発にちょっとだけかかわったので、皆さんにも使いやすいものになっていると思います。

    2. GA4移行で困らないように事前に知っておきたいこと

    GA4の標準レポートは数が少ない

    執筆時点では20個もありません。ユニバーサルアナリティクスは100以上のレポートがありました。つまり、見たいデータが見れなくなるということですね。

    標準レポートには「ライブラリ」という機能があってある程度はカスタマイズができます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。設定は大変ですが今までのようなレポートが見られる…はずです。

    GA4の「ライブラリ機能」の活用例:チーム独自のコレクション | アユダンテ株式会社

    探索レポートはグラフ化がいまひとつ

    日常的なデータチェックには向いてません。

    なぜかというとグラフ化がイマイチなので、データをエクスポートするなどしてグラフ化しないといけないからです。ちょっと見たいときに使うにしては面倒ですよね。慣れてくれば数値だけでも傾向はわかりますが、誰かに報告するとなるとグラフ化しないといけないです。

    完全に仕様が決まっていて、見るタイミングも決まっていれば、フォーマットを作るのでしょうがそこまでが遠い。

    これが見たい、あれが見たい、という要望に対応するのが大変になることでしょう…。

    Looker StudioはAPI制限がつらすぎる

    GA4×ルッカースタジオ(旧データポータル)API割り当て上限によるデータセットの設定エラーの原因と対応策まとめ

    エラーの原因は、GoogleがGA4 APIを通じてデータを取得する際のリクエスト数に上限を設定したことになります。Googleの本変更の目的は、BigQuery(有料)の利用促進だと想定されますが、事前アナウンスのない変更だったこと、またその割り当て上限がとても厳しく、少しのリクエストでもすぐにエラーになってしまうことで世界中のルッカースタジオユーザーからクレームが噴出している状態となります。

    クレームが噴出した一人です。

    GA4のレポートがイマイチなのでLooker Studioならできるよ!と思って使っていたらこれ。過去にクライアント向けに作成したレポートもこれに引っかかって大変なことになってしまいました。

    解決策がないこともないんですがこれまた面倒くさい。

    いったん解決したところでまた同じようなことが起こるのでは?と疑心暗鬼になっているので、ゴリゴリ使っていくのはちょっと怖いですよね。

    GA4の「しきい値」がややこしい

    [GA4]レポートのデータが少ないと思ったら「しきい値」の確認を | アユダンテ株式会社

    データのしきい値とは、ユーザー属性などの情報からユーザーを推測することを避けるため、レポートから一部のデータを除外する仕組みです。GA4の標準レポートやデータ探索の他、データポータルのGoogleアナリティクスコネクタで接続した場合のレポートにも適用されるため、注意が必要です。
    データのしきい値はGoogleアナリティクスのシステムによって定義されているため、調整することはできません。

    個人情報保護の観点からユーザーが推測されそうなデータは自動で除外されるという機能です。そして、コントロール不可能。GA4のレポートやLooker Studioに接続した場合にも適用されます。何をどうやってもつきまとってきます。

    しきい値が適用されると何がやっかいかというと、レポートやディメンションを変えるたびにユーザー数の合計が変わったりすることです。どの数字が正しいのかわからなくなりますよね。

    Googleシグナルの利用をやめたりレポート識別子の設定を変えれば回避できないこともないですが、ユーザー数の算出方法が変わってしまうので、これまたどの数字が正しいの問題がつきまといます。

    数字に一喜一憂することはやめて傾向で見るしかないですよね。

    精度を上げるにはBigQueryを使うしかない

    BigQuery: エンタープライズ向けデータ ウェアハウス  |  BigQuery: クラウド データ ウェアハウス  |  Google Cloud

    BigQuery は、完全にサーバーレスで費用対効果に優れたエンタープライズ データ ウェアハウスです。クラウド全体で機能する機械学習と BI が組み込まれており、データに合わせてスケーリングできます。

    わかりやすく言うと、GA4の生データを引っ張って保存してSQLで思うように抜き出せる仕組みです。抜き出したデータはTableauなどを使ってグラフ化します。

    そして、料金もかかります。

    Google BigQuery の料金体系を解説

    BigQuery は注意ポイントさえしっかりと押さえていれば、かなりお得に利用できるサーバーレスなビッグデータ分析サービスです。ビッグデータ分析に関するあらゆるニーズに応えるための機能が揃っています。

    そう、分かっていればかなりお得に利用できるはずなのです。わかっていれば。

    今からこれを勉強して、データを加工して…と思う人はかなり少ないはずです。やったとしても、それなりの規模の企業でしょう。

    私はBigQueryに関しては完全にあきらめています。学習することと得られるものを天秤にかけたら…ねぇ。あわないです。

    GA4、Looker Studio、BigQueryが進化していく

    移行が終わればスッキリ。ではないのです。

    コロコロ仕様が変わっていくでしょうから、それについていかないと使えなくなってしまうのです。

    ずっと情報をキャッチアップして変更があればレポートなども変更して、社内やクライアント向けに周知して…大変ですよね。

    で、どうすれば?

    お金がある

    BigQuery+Tableauなのかな~と思います。初期設定で数百万円、毎月も数万~十万円かかったりするかな?という感覚です。

    進化してもお金で解決。

    この方法が取れるところは少ないはず。

    お金がない

    • 標準レポートで見られる範囲にする
    • 可能な限りシンプルにしたLooker Studioを使う

    これしかないと思います。

    細かい分析をするには前述の問題をクリアしないといけないので、費用対効果が合わなくなるはずです。

    ここに時間をかけるよりはコンテンツやSNSやメルマガなどに時間をかけたほうが会社としてはメリットがあるでしょう。その結果のチェックのために使うぐらいでいいと思います。

    今までのユニバーサルアナリティクスが無料なのに優秀すぎたと思うべきなのでしょう。

    世の中は動画であったりSNS上で時間を使う人が増えてきましたよね。それに伴ってWebサイトの役割も以前ほどではなくなっていくでしょうし、そうならないといけません。

    時代に流れにあったマーケティング、計測を考えて柔軟に対応しろということだと思ってます。

    そう思わないとやってられない」という言葉を飲み込みながら。

  • 2023年のアクセス解析はどうなっていくのか?

    2023年のアクセス解析はどうなっていくのか?

    ※この記事は2023年1月16日QA Analyticsメルマガで配信した内容を掲載しています。


    QAアナリティクス

    Analytics Newsletter

    2023年のアクセス解析はどうなっていくのか?

    QAアナリティクスをご利用中の皆様。
    大変遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
    QAアナリティクスの広報を担当しています森野です。

    久しぶりのメールマガジンは2023年にアクセス解析はどうなっていくのか?というお話です。

    2023年はアクセス解析ツールの分岐点

    運用型広告の代理店で有名なアナグラムさんの記事から。

    GA4がまもなくGoogle Analyticsの新しい標準となるわけですが、単なるアップデート版ではなく完全に別物であることを加味すると、これまでUAを使い続けてきた企業にとっても、GA4への移行は不慣れなことが場合によって少なくない、と予想されます。

    2023年に注目していきたい、運用型広告周りの重要なトピックは?|アナグラム株式会社

    慣れたものから新しいものに切り替えるのは大変ですよね。
    しかも、GA4はどんどん進化しています。2022年には実に34回の機能追加がありましたので、これについていくのも簡単ではありません。

    こちらも運用型広告の代理店で有名なキーワードマーケティングの滝井さんはこう書かれています。GA4を導入する前提でどう利用するのか?という観点です。

    GA4の最大の肝は機械学習による予測です。過去28日間に操作をおこなったユーザーによって、今後7日間以内に特定のコンバージョンイベントが記録される可能性、つまり購入の可能性が示されるようになったことです。

    2023年にネット広告関連で滝井が注目している10のこと|株式会社キーワードマーケティング

    これは便利そうですよね。
    でも、落とし穴があって「過去7日間で1000件以上の購入データと購入しなかったデータ」が必要なのです。予測機能が動くのはかなりの規模のECサイトということになります。

    では、EC業界はどうなのでしょうか?
    EC業界では知らな人のいない竹内謙礼さんの記事です。

    今後は「GA4」を使いこなせるネットショップと、そうでないネットショップの二極化が加速していくと思われる。当然、データを使いこなせるネットショップのほうがきめ細やかな運営ができるので、売り上げを効率よく伸ばしていくことが可能になる。

    【2023年のEC業界を徹底考察】高く売る販売方法、動画、3大モール攻略、ネット通販+GA4など重要ポイントを解説 | 竹内謙礼の一筆啓上 | ネットショップ担当者フォーラム

    データを活用できないEC業者は淘汰されてしまう。と書かれています。
    コロナの影響でECが伸びました。それが今ではリアル回帰の流れさえあります。つまり、リアルとECのデータの両方がわからないとだめだよ。ということなんです。

    2023年のアクセス解析って大変そうですよね。

    プロダクトマネージャーの丸山の見解

    QAアナリティクスの丸山が2023年の展望記事でこう書いています。

    私は今後5~10年ほどで、アクセス解析ツールのメインテーマは、下記3点に集約されていくと予測しています。

    1. マーケッターがどのようにツールからヒントを得るか?(ビジュアライズ)
    2. ツールが自動でどのようなサービスを提供するか?(AI)
    3. プライバシーとパーソナライズの問題
    2023年アクセス解析ツール業界の展望 – アクセス解析&ヒートマップ QAアナリティクス

    ChatGPTではないですがAIが気を効かせて何でもやってくれそうな世界は目前です。そのAIもプライバシーの問題や法的な問題を抱えています。
    データは100%取れない前提で、ツールが出すデータから動いていかないといけないということですね。分析からアクションへ、です。

    ここまで読んでいただいた皆さんに改めてQAアナリティクスの特徴です。

    • クラウドでなく自社に大切なデータが溜まる。急なデータ削除やベンダーロックの心配がない
    • 設定不要で全データを取得する全録ツールは世界でも数個しかなく、かつ無料から使えるのはQAだけ
    • 有料版が「安っ!」と驚かれるくらい安い(実話)
    • 自動でバージョンアップしていく。追加費用なし
    • 日本人が作っているのでサポートが日本語でちゃんと返ってくる
    • すごく使いやすいと評判
    • 自社でインフラを選べばよく無駄なコストがかからず大規模にも対応できる
    • 大規模もスモールサイトも想定した特許を取得している(P7011367)
    • ベースがオープンソースであり、カスタマイズも可能
    • IPを含む個人情報を保存しないためプライバシーリスクが低い
    • 今春WordPress以外のサイトにも対応する

    日本人が使いやすさを考えて作っているので、安心して使ってくださいということですね。さらにWordPress以外のサイトでも使えるように動いています。

    まとめ

    GA4への移行は決まった未来です。ユニバーサルアナリティクスのデータも見られなくなるはずです。世間の流れに沿ってGA4を導入して使えるようにはしておいて、基本的な指標などを押さえる。

    GA4を入れる前提でWebサイトの改善には他のツールを導入する。つまり、目的に応じてツールを使い分けることが必要になってきます。1つのツールを深く使うのではなくて、いいとこどりをしましょう。という話。

    話題の「タイパ」ではないですが、解析している時間は最低限にしたいですからね。

    皆さんのWebサイト改善のためのルーツ改善とコンテンツ発信に頑張っていきます!

    本年もよろしくお願いいたします。

  • 「記事がもっと読まれる!GA4 とプラグイン QA を併用した時短アクセス解析手法」の動画が公開されました!

    「記事がもっと読まれる!GA4 とプラグイン QA を併用した時短アクセス解析手法」の動画が公開されました!

    2022年10月1日 (土) に開催されたWordPress Mega Meetup Japan 2022 Fall。そこで丸山が講演した動画が公開されました!

    GA4は無料ですし基本的なデータがとれるので便利ですよね。特にGoogle 広告を使っているときは連携するのもいいところですよ。しかし、わかりづらい部分も多いですし、知らないうちに変わっていることも多いのでキャッチアップが大変です。公式サポートがないのも困りもの。

    その点、QAアナリティクスは日本製ですし有料プランに入っていただければ日本人によるサポートがあります。GA4にはないヒートマップやセッションレコーディングの機能もあります。

    どちらがいいというわけではありませんので、両方を導入してみて自分の見たいデータを見たいツールで確認するのがいいかなと思います。

    そんなことを詳しく話していますので、気になった方はご覧ください。

    今後とも円安に強いQAアナリティクスをよろしくお願いいたしますw

  • WordPress Mega Meetup Japan 2022 Fallに丸山が登壇します。

    2022年10月1日 (土) に開催されるWordPress Mega Meetup Japan 2022 FallにQAアナリティクスのプロダクトマネージャである丸山耕二が登壇いたします。

    「記事がもっと読まれる!GA4とプラグインQAを併用した時短アクセス解析手法」と題してアクセス解析の話などをする予定です。

    先着100名様までなのでお早めにお申し込みください!

  • michiブログ様でQAアナリティクスをご紹介いただきました!

    【新バージョン対応】QA Analytics(QAアナリティクス)の使い方を解説 – michiブログ

    ・的確にアフィリンクや内部リンクを配置できるようになった。
    ・1日10,000PVほどになったことも。
    ・平均滞在時間が2分伸びた記事も出た。

    今はさらに増えて月間20万PV、収益500万円以上を達成しました。

    とんでもない数字です…。QAアナリティクスが役立ったのは嬉しいですね。

    ・ユーザーは見出しを見ている→見出しにキーワード+興味を引く言葉を入れる。
    ・クリックされている箇所→収益につながるならそのままでオッケー。内部リンク先なら最終的に収益につながるような導線を作る。
    ・注目されている場所→収益につながる施策をする。例えばアドセンス広告やアフィリンクの設置。
    ・ユーザーは後になるにつれ読まない→なるべく前半に興味があるコンテンツを用意する。
    ・全然読まれない箇所→思い切って削除すると良い。

    記事改善のポイントも書かれていました。

    全然読まれていないところを思い切って削除するんですね。苦労して書いても…と思いますが成果にならないのであれば削除したほうが吉なんですね。

    ものすごく参考になる記事なので皆さんも読んでみてください!

  • ヒートマップを見ると右下がずっとクリックされているのはなぜ?

    ヒートマップを見ると右下がずっとクリックされているのはなぜ?

    ヒートマップを見てみると、右下がやたらとクリックされていることってないでしょうか?こんな感じです。QAアナリティクスのサポートにもちょいちょい聞かれることなので、なぜこうなるかを説明しますね。

    結論を言ってしまうと「トップに戻る」です。

    こいつです。

    最近はほとんどのウェブサイトにありますよね。ある程度スクロールすると表示されて、ページの一番上まで戻るためのボタン。必ず右下にあるものの縦に関してはどこでクリックされるかわからないために、冒頭に示したようになってしまうんです。

    これ以外にもチャットを開くボタンでもこのようになる時があります。

    ヒートマップを見た時におかしなクリックがあったらまずはウェブサイトをよく見てみましょう。パソコンで見てわからない場合もスマホで見てみるとわかることもあります。

    広告関連のクリックはQAアナリティクスのヒートマップに出てこないの?

    例えば上の図の左下の青枠の部分。

    これって邪魔くさい画面が狭くなるので閉じることが多いですよね。これを閉じたときのクリックはどうなるのか?

    QAアナリティクスの場合はクリックとしてカウントされません。

    ウェブサイトのソース上にあるものはカウントされますが、広告などのように外部のデータを呼び出しているものには反応しないようになっているからです。つまり、自分たちで変更できるところにしか反応しない仕様になっているんですよね。

    こんな細かいところも考えて作られているのがQAアナリティクスなのです。

  • えびちきろく様でQAアナリティクスをご紹介いただきました!

    https://ebichiki.com/qa-heatmap-analytics/

    こちらの記事でQAアナリティクスをご紹介いただきました!ありがとうございます。

    ・ユーザーがどこに興味があるのかがわかる
    ・どのボタンやリンクがクリックされているのかがわかる
    ・どこまでスクロールされたのかがわかる
    ・リアルタイムのアクセス状況がわかる

    4つの特徴も書いていただきました。

    Google アナリティクスでは数値はわかるもののユーザーの動きはわからないので、動きに関してはQAアナリティクスが便利かな?と思います。

  • ナカイのブログ様でQAアナリティクスをご紹介いただきました!

    https://www.nakainotabi.com/qa-heatmap-analytics/

    こちらの記事でQAアナリティクスをご紹介いただきました!ありがとうございます。

    Google アナリティクスとQAアナリティクスの併用が効果的と書かれています。私もこれは同感で、お互いの良いところを使って分析すればいいですよね。

    Google アナリティクスはGA4になっていくのでちょっと難しくなってしまいましたが…。