カテゴリー: 開発者ブログ

QuarkAプロダクトの開発者ブログです。開発秘話や日々の取組などをご紹介しています。

  • WordCamp Kansai 2024参加レポ:コントリビュートとは?

    プロダクトマネージャーの丸山です。
    こんにちは。

    WordCamp Kansai 2024に参加してきたので、遅ればせながらそのレポートを書きたいと思います。

    今回、私にとって初の出来事は2つありました。

    • コントリビューターデイに参加(コントリデイと略されている)
    • セッションデイにスピーカーとして登壇

    去年からコントリビューターデイが気になっていた

    去年バンコクで開催されたWordCamp Asia2023に参加した時に、コントリビューターデイを知らずに現地に行きました。
    そしたらチケットを持っていないので入れないということで、 コントリビューターデイって何?という状況になりました。

    前日なのでブースもまだ工事中@バンコク

    困ってうろちょろしていたところ、Takanoさんが私を見つけてくれて案内をしてくれ、中にいたベクトルの石川さんに教えてもらってコントリビューターデイの意味を知りました。

    コントリビューターデイとは

    WordPressユーザーが集まり、オープンソースプロジェクトであるWordPressにコントリビュート(contribute = 貢献)するイベントです。

    初心者が間違えがちなこと

    • みんなで作業をする日である。セッションなどはない。
    • 参加チケット(無料)が必要
    • 人気イベントなのでチケットはすぐになくなる

    コントリビュート(貢献)とは?

    WordPressは世界中の多くの人の無償の貢献によってなりたっており、世界中で様々な活動が日々行われています。ソースコードだけでなく、ドキュメントや翻訳など含めてWordPressが継続してメンテナンスされ、どんどん使いやすくなっていくのも、すべて世界中の人々の貢献おかげです。

    コントリビュートとコミュイニティ活動について詳しくはこの動画がわかりやすいです。

    コミュニティ活動とコントリビュート

    コントリビュートデイに初参加。その内容は?

    チケット入手方法

    実は、最初は申し込むか迷っていました。
    というのも初めてで、特にコントリビュートデイは「WordPress手練れ達の集まり」というイメージが強く、「てにをはも知らない自分が一枚使ってしまってよいのか?」と気後れしていました
    しかし、今回うちのQA Analyticsでブロンズスポンサーになっていたこともあり(あれ?スピーカーだったからか、、なんか記憶があやふやですが)チケットがついていました。
    そこで「これは参加するしかない!」と思い、申し込みました。

    どんな感じなのか?

    各チームにテーブルがわかれてやります。今回はこんなチームがありました。

    下記のWordCamp Kansai 2024ページより引用

    開催の流れ

    最初にこんな感じで、今日の流れや参加方法について説明があります。参加者にはお弁当とお茶も提供されていて、みんな和気藹々な感じで聞いています。

    ささぴよさん

    説明が終わると、各チームにわかれます。

    Coreチームに参加

    各チームにはメンターと呼ばれるガイド役に人がいてくれて、いろいろ教えてくれるそうです。
    ですので、この時点でビビっていた感情はなくなり、せっかくだったら一番興味があるところに参加しようと思い「Coreチーム」を選びました。

    Coreチームとは

    WordPressのコア(本体)に関する貢献を行うチームです。6人チームのうち3人は海外の人でした。
    正直、英語ができないと駄目そうなチームだったんですけど、面識のあるtoruさんや、日本人メンターのNaokiさんがいらっしゃる安心感で参加してみました。

    やはりうちのQA Analyticsはコアに密接に関わっているので、コアに関わっていきたいという気持ちと、実は、最初に座っていた席が、そのままCoreチームのテーブルになったので、そのまま居座ったのもあります笑。
    (ちなみに後から知ったのですが、世界でも数少ないコアのコミッターであるAdamさんがいました。凄腕のレベルが違いました。実際にWordPressの次期バージョンがコミットされるシーンを間近で見るという貴重な体験をさせてもらいました )

    何をした?

    参加すると、メンターの人を筆頭にチームの人が本当にやさしくて、手取り足取り教えてくれました

    • 開発環境の構築(GitHubからのクローン)
    • 作業するチケットの選び方
    • WordPressでどのようなやり取りでボランティア間の作業が進むのか?の説明
    • 実際に書き込む内容などのアドバイス
    • 通訳

    申し訳なかったのが、私のノートPCにまともな開発環境が入っていなかったことです。。
    なので環境構築でえらい時間をくってしまい、テザリング速度も限界があるので、作業が進まなかったです。

    それでも、チケット選びや、コードのデバッグまでチームの皆さんが手伝ってくれて、人生で一番最初のコントリビュートをすることができました。
    https://core.trac.wordpress.org/ticket/60038#comment:4

    (余談)海外ではCookieレスでGA4のPVが減少しているらしい

    たまたま雑談をする機会があって、Jonに海外のCookieとGA4問題を聞いたら「GA4はページビューが減少しているよ。本当にみんな困っているから、声かけたらみんな興味持つと思うよ。」と言ってくれました。
    この話を聞いたことで、私としてはCookieについて日本にお伝えしていく使命感みたいなものも芽生えました。これは思わぬお土産でした。

    コントリビュートデイに参加した感想は?

    当日に嬉しくてツイートした内容がこちら。

    なぜコントリビュートデイに参加したかったのか?

    QA Analyticsの開発に伴い、WordPressとの関わりが深くなったことで、やはり多くの人がボランティアで関わっていることが肌感覚でわかってきます。

    そうすると、自分だけ何もせずに、使わせてもらってるだけっていうのは、申し訳なく思うのですよね。
    その流れもあり、儲かっていないので小さくて申し訳ないですがスポンサーもやりますし、それだけじゃなくて、何か自分の力で貢献できることがあればすべきだ、という気持ちになります。

    Five for the Future

    WordPressでは、Five for the Futureという取組があります。5%の時間をWordPressの未来ために貢献していこうというコンセプトで、特に縛りがあるものではないですが、宣言をした会社は取組企業としてサイトに掲載され、活動時間とともに紹介されます。

    個人的な感覚としては、何をしたらよいのかよく分かっていなかった中で、やっぱりきっかけはこういうコントリビューターデイに参加するところからだと思いました。

    いろいろ直接お聞きできたことで、自分達ができそうなことや、逆に難しいことがわかって、Five for the Futureがより現実に近づいた気がします。

    翌日のセッションデイのスポンサーと登壇について

    最後に、翌日24日に開催されたセッションディについても。

    ブロンズスポンサー

    こんな感じでチラシを出しました。

    ちなみにブロンズスポンサーのブースにはテーブルがないことに気づいたのは直前でした笑。
    前述のように、とりあえず何かしら貢献しなきゃ(関西だし)という気持ちだったので、そんな感じです。

    スピーカーとして登壇

    こんな内容で発表しました。

    運営堂の森野さんが内容のサマリーと感想を書いてくれていましたので、ご紹介します。

    まとめ

    私の参加レポートとしては、主にコントリビューターデイについてお伝えしました。

    全体を通しての感想としては、委員長の岡本さんがおっしゃっていましたけど、WordCampは「楽しい!」というもの。

    大人になってあの楽しい雰囲気が残っているのは、貴重なイベントだと思うのですよね。

    ビジネスっぽくもなく、かといって新たなご縁も生まれましたし、ビジネス的にもよかったです。

    私がWordPressにより深く関わるようになって感じているのは、私もそうですし、WordPressはいろいろな人の人生に影響を与えているということです。そして、ここまでグローバルで、すごい人もいて、身近で、みんな平等。

    これはたぶん、オープンで、なんか人という存在に対して、懐の深いプロジェクトなんですよね。

    ということで、関西の参加レポートを書き上げたばかりですが、今日から台湾のWordCamp Asiaに出発です。

    ちなみに台湾は本日がコントリデイなのですが、こちらはチケットを入手しておらず。

    参加はセッションデイからになりますが、また、台湾のWordCamp Asiaについてもレポートを書きたいと思います。

  • 感謝!QA アナリティクス アクティブユーザーが2000人を突破しました

    感謝!QA アナリティクス アクティブユーザーが2000人を突破しました

    いつもQAのご愛顧ありがとうございます。
    本日は、皆様へ感謝のお知らせがあります!

    皆様のおかげで、ついに「QA アナリティクス」の全世界のアクティブユーザー数が2000人を突破しました。
    ダウンロード数も25,000に到達しそうです。

    この嬉しい節目に、心からの感謝の意をお伝えしたく、このメッセージをお届けいたします。

    QA アナリティクス1stリリースが2020年の7月ですので、ちょうど3年ちょっとが経ちました。
    皆様のご支援と信頼、そしてフィードバックがなければ、ここまで成長することは絶対にできませんでした。

    WordCamp Tokyoでの気づき

    先週末10月21日、WordCamp Tokyoにブロンズスポンサーとして参加してきました。
    ▼会場の様子はこちら(Twitter/X)

    https://x.com/koji_maruyama/status/1715554740409626677

    そこでQAアナリティクスは「驚かれ」ました。
    多くの人がGA4で困っている(100%でした笑)らしいのですが、このQAをみて「どうせ有料でしょ?」と。

    WordPressの管理画面でプラグインの追加から無料で入れられるとお伝えしたら「神ツールじゃないか」と褒めて頂きました。
    デモを見て、最初から有料プランの入り方を聞いてくださる方も。

    多くのサイト運営者に驚かれ、嬉しかったと共に、まだまだ知られていないので、頑張らないといけないなと思いました。

    これからのこと

    現在、QAチームはQA ZEROというWordPress以外でもQAが利用できるビジネス/エンタープライズ版を作成しています。
    https://qazero.com/

    また11/25にはウェブ解析士協会様のセミナーに登壇いたします。

    【ウェブ解析士会議2023in大阪】よっしゃ、やろか!Transformation! | 一般社団法人ウェブ解析士協会
    https://www.waca.associates/jp/news/81406/

    私のテーマは「AI時代のアクセス解析」です。

    実はWordCampのブースに来てくれたある人が、こんなことをお話してくれました。
    「先ほどLLM(ChatGPTなどのAIエンジン)のセッションがあって、その質疑応答で未来のウェブのデータ・AI活用の話で盛り上がっていた。で、今QAの仕組みを聞いて驚いている。ひょっとしてこのQAアナリティクスが既に答えなんじゃないか?」

    私は「ありがとうございます。」と答えました。
    こちらも頑張りたいと思います。

    2000ユーザーの達成は、大きな励みとなり、私達QAチーム一同、さらなる成長へと情熱を燃やしています。
    「誰でもスーパーなサイト運営者に変身する」を目指すQAとしては、新たな体験を皆様にご提供すべく、開発を継続していきます。
    また皆様からのフィードバックやご提案がとてもありがたく、これからもその声を大切にしていきます。

    次は全世界のアクティブインストール数5000を目指します!

    ぜひもっと多くの方に知ってもらい、使ってもらいたいと思っています。
    引き続き、皆様の力をおかしください。

    それでは感謝の気持ちを込めて、お礼とさせていただきます。
    ありがとうございました。

  • 丸山耕二がWordPressというOSSのためにできること、やっていること

    丸山耕二がWordPressというOSSのためにできること、やっていること

    ヒートマッププラグイン「QA Analytics」、UAのデータをバックアップし移行する「Analytics Backup by QA」、自社アクセス解析サービス「QA ZERO」。ウェブジョブズが提供している解析サービスは、すべてWordPressを介しています。

    SaaS型のサービスも多い中、なぜWordPressを使うのか?という疑問をお持ちの皆さんも多いと思います。そこで今回は、プロダクトマネージャーの丸山にWordPressに対する想い、これからのことなどを聞いてみました(聞き手:運営堂 森野)。

    WordPressとの出会いは2010年 ドキュメントの多さが魅力

    森野:まずは、丸山さんとWordPressのかかわりについて聞いていきたいと思います。2023年で、WordPressは20周年ですね。丸山さんが使い始めたのはいつからですか?

    丸山:WordPressが出たての頃、MT(Movable Type)が全盛でした。当時はWordPressのサーバーのスペックがそれほど良くなかったため、サイトに用いるのはどうだろうという風潮がありました。

    そんな中、2010年くらいにはじめてWordPressの案件が来まして、当時は詳しくなかったため、構築は外部の方に依頼しました。その方の進捗が遅れてしまい、「MTがわかるので、WordPressもたぶんできると思うのですが、手伝いましょうか?」と声をかけたところ、「WordPressを舐めるな、どれだけ苦労して勉強してると思ってるんだ」という具合にすごく怒られたのを覚えています。それをきっかけに、WordPressを学ばないといけないなと思い始めました。

    森野:MTはどちらかというと静的HTMLで、カスタマイズをゴリゴリやる感じではなかったですしね。最初の案件以降は、どうされましたか?

    丸山:学んでみたところWordPressは良いものだという感覚があったため、定期的に利用し始めました。自社やクライアントのMTで構築したサイトをWordPressでリプレースしたりしていました。

    森野:丸山さんが思う、WordPressの良いところとは?

    丸山:2016年にMTがバージョン6になり、オープンソース版がリリースされませんでした。それに伴い、必然的に他のものを選ばなければならないという課題もありました。WordPressの良いところは、裏側のテンプレートの作り方がMTよりもはるかにわかりやすく、構築した後のメンテナンス性に優れているところですね。気になっていたサーバーのパフォーマンスも、徐々に改善されていきましたから。

    森野:MTの再構築にものすごく時間がかかったりしましたよね。WordPressは拡張性が高いのが特徴ですが、それも理由のひとつですか?

    丸山:プラグインの便利さは感じていましたが、当時からプラグインは入れずに必要なら自分たちでやってしまうところはありました。良かったのはドキュメントの多さですね。WordPressのユーザーがどんどん増えていくにつれて情報も増えていったため、自然にWordPressの利用が増えていきました。

    森野:エンジニア目線で良いと感じ、それ以来使い続けているというところでしょうか。ユーザーが増えるにつれ、全国各地でWordPressの勉強会や集まりができていきましたが、参加されましたか?

    丸山:その頃は、ドキュメントを見てやれる範囲のことをやっていて、悩むことなく自力で解決していました。身近に詳しい知り合いがいたというのもあり、参加には至りませんでした。

    WordPressをOSとして3つの解析サービスを開発

    森野:2010年頃から継続してWordPressを使ってこられて、アナリティクス関連のプロダクトを作られていますね。ヒートマッププラグイン「QA Analytics」、ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)のデータをバックアップし移行する「Analytics Backup by QA」、自社アクセス解析サービス「QA ZERO」、すべてWordPressがベースです。なぜそこまでしてWordPressをというところが気になっています。

    丸山:理由は大きくふたつです。QA Analyticsが最初のプロダクトですが、作ろうと思ったのは自分たちが使いたかったから。サイト改善につなげるためのヒートマップ分析ツールはいくつかありますが、良いものはやはり値段も張る。WordPressで構築したサイトも多くなっていたため、自分たちでプラグインを作ってしまえば、便利じゃないかと考えました。

    もうひとつの理由は、エンジニア的かもしれませんが、WordPressをもっといろんな人に使ってもらえるようなソフトウェアにしたいという思いからです。WordPressは、エンジニアでなくとも、サーバーにソフトをインストールする際にあまり苦もなくできる、ウェブ業界で唯一とも言って良いソフトかもしれない。それが、世界でこんなにもシェアを獲得している。そこでプラグインを作り、日本製でも良いと認められたら、海外に広がって多くの人に使ってもらえるんじゃないかと考えました。WordPressをウェブサーバー標準のOSのように感じた、というところですかね。

    森野:ヒートマップのようなサービスを作ろうとしたら、普通ならWebサービスとして作るのではないかと思うのですが、そうしなかったのはWordPressのOS的なところがメリットだったと。

    丸山:少し話がマニアックになりますが、元々、Google アナリティクスだけで取得できるデータには限界があると感じていました。データ量が少ないと、推測できることも少なくなる。もっとデータを貯められたら、もっとたくさんのことがわかるのに、とは常々思っています。しかしながらそれをSaaSでやろうとすると、プライバシーの問題もあり、サーバーコストの問題もあり、データをたくさん貯めようとするほど、0円ではできなくなります。

    QA Analyticsのコンセプトは、データに基づくインスピレーションを与えるというもの。たくさんの人に使っていただきつつ、将来的には無料にすることもできるのではという構想も含むと、この方法しかなかったんですよね。

    森野:自社サーバーでデータを持つとプライバシーとデータ容量の問題が出てくる。ならばサーバーを別のところにしたいとなると、WordPressが最適だったと。しかしながら、そうしようと思って作れちゃうものなんですかね。

    丸山:開発には苦労がありました。前述のようにドキュメントが揃っているため、勉強会には引き続き参加していませんでした。ところが、2019年から開発を始めると、ドキュメントだけではつまずいたんですよね。ユーザーが利用するどのようなスペックのレンタルサーバーであっても処理できるように負荷を軽くすることを考えると、技術的な問題に出くわしまして、それで初めて勉強会に参加しました。そこで知り合いが増えたこと、元々インフラエンジニアだった頃の知識が噛み合って、なんとか作り上げました。

    森野:そのようにしてできたQA Analyticsは安定稼働していますよね。ダウンロード数はどれくらいですか?

    丸山:現時点(インタビュー時点)で2万3,251ですね。世界中でダウンロードされています。アクティブユーザーは1,000+で、たぶん実感からすると2,000弱程度なんですけど。

    森野:すごいですね。ではふたつめの、UAのデータをバックアップし移行する「Analytics Backup by QA」についてうかがいたいと思います。こちらは、どのような経緯でつくられたのですか?

    丸山:正式告知前から、UAはいずれサービス停止するだろうと考えていたため、QA Analyticsの設計段階から、Google アナリティクスとデータ構造を似たものにしていました。QA Analyticsの中に、Google アナリティクスのデータを入れることができれば、過去のデータと一緒に見られて良いだろうと。しかしながらユーザーの声を聞くと、WordPressを利用していない企業さんを含め、バックアップ単体ニーズのほうが強かった。そこでQA Analyticsを改造して、バックアップ専用のソフトにして使いやすくしたのがAnalytics Backup by QAです。今では大手企業様にも導入していただいています。

    森野:Analytics Backup by QAはWordPressのプラグインで、WordPress以外でも利用できるようにしたのが自社アクセス解析サービス「QA ZERO」ですね。

    丸山:QA Analyticsを使ってくださった方から、サイト改善に必要なものだけが入っていて、非常に使いやすいとのお声をいただきました。WordPress以外でも使いたいとの声も寄せられていました。そもそも当初から、自社解析サーバー構築ソフトウェアとして設計していたため、WordPress以外のサイトのデータも取得できるようにする構想はありました。ご要望に応える形で頑張って開発したら2年かかってしまい、ようやくリリースできたというところです。

    循環の輪が生まれるような貢献がしたい

    森野:ここまでくると丸山さんは、WordPressにおんぶに抱っこの状態と言っても良い。一方で、WordPressのコミュニティはボランティア的なところがあって、使い倒すだけの人はあまり歓迎されていないですよね。丸山さんも今後は、WordPressそのものに対し、何か貢献したいという思いはあるのでしょうか。

    丸山:もちろん、あります。「Five for the Future」というWordPressのプログラムがあります。未来のために5%、時間で貢献しようというものです。海外では、たとえばホスティングサービスのソースコードをボランティアでメンテナンスしている人たちがいますから、その思想には共感しています。

    WordPressのコミュニティに参加したのは、前述のとおり2019年が皮切りでしたが、僕の好きなタイプの人たちが集まっている印象です。元々は音楽家や小説家で、自分の人生が主軸にある。その上で、皆の役に立てるからとWordPressに貢献しているという。

    WordPressの元々のコンセプトは「パブリッシングの民主化」です。たとえばこれまで日が当たらなかったような人たちが、WordPressによってブログを書くことができるようになり、発信力を持ったらおもしろい社会になるのではないかといった思想がある。

    森野:たしかに、WordPressをはじめて自分でインストールしてうまくできた時って、感動があるんですよね。カスタマイズしたらできて、おもしろい。そういう感動があって、いろんな人たちが使っているんでしょうね。「Five for the Future」について、ウェブジョブズでは今後、具体的にどのような取り組みをする予定ですか?

    丸山:翻訳やプラグインのレビューなどコミュニティにはさまざまなチームがあるため、既存のものに参加することもできるのですが。僕たちは2019年からと遅めの参加でもあり、マーケティング寄りでそれまでコミュニティにいた人たちと毛色が違うからかおもしろがってくれていています。僕の知り合いをWordPressのコミュニティに連れてきたり、その逆も行ったり。新しい世界が広がるような活動がおもしろいと思っています

    森野:北海道のコミュニティの方と知り合い、コンテンツ企画をされたと聞きました。

    丸山:オープンソースのコミュニティとしてWordPress.orgがありますが、同じ創業者が設立した、​​Automatticという営利団体もあります。​​AutomatticがWordPress.orgに多額の寄付をしたり、スポンサードしたりすることで成り立っているところもあります。北海道で知り合ったのは​​Automatticのベンさんという方で、2月にタイで開催されたWordPressのイベントで知り合い、意気投合しました。

    ベンさんから相談されたのは、Automatticが公式としてコンテンツを発信していきたいが、どのようなものが求められているかわからないということでした。たとえば、アフィリエイターさんはWordPressを使っていることが多いため、日本アフィリエイト協議会理事のあびるさんにお願いして、代表の笠井さんをご紹介したところ、ベンさんに気づきが生まれて次々とコンテンツが生まれたといったことがあります。コンテンツ発信の取り組みは日本が初めてのようで、うまくいったら世界の他の国にもフィードバックされると、皆がハッピーになるのかなと思っています。

    森野:現時点では、コーディネーターのような役割をされているわけですね。丸山さん自身の発信はまだそれほどされていない?

    丸山:プラグインの開発をこんなにガリガリ、マニアックにやっている人もめずらしいということで、プラグインの作り方について発信したら良いんじゃないかと言われています。正直なところ、コミュニティもたくさんあるし、どの活動から始めれば良いのか、自分では絞りきれていないという感じです。手始めに、プラグインのレビューから始めるのが良いのかなと思ってはいますけれど。

    森野:丸山さん個人として、ウェブジョブズとして、何かしらの「Five for the Future」の還元は行うし、貢献していることをこれから認知してもらうというところですね。

    丸山:はい、僕個人だけでなく、チームのモチベーションあるメンバーにも貢献してもらえるよう、会社の体制を整えていきたいと考えています。WordPressが良いものだというのをもっと知ってもらいたいという気持ちがありますから。

    森野:WordPressに対して、もうちょっとこうなったら良いなと思うところはありますか?

    丸山:健全なお金儲けができる市場になったら良いなとは思っているんですけどね。WordPress.orgと​​Automatticの2社に分かれているように、営利と非営利のバランスで悩んでいるところではあると思うのですが。

    ただ、コミュニティの人たちを見ていると、すごくレベルが高いことをしているんですよね。それが伝わらないのがもったいない。たとえば、エンタープライズのCMSとしてはセキュリティが不安だといった印象でWordPressは避けられがちですが、アメリカのWhite Houseに採用されていたりする。それは、​​Automatticがサービスとして保証をしているからだと思います。そういう循環の輪ができていくと良いと思いますし、エンタープライズの視点から「Five for the Future」がより認知されるような活動をしていくのも良いかもしれないですね。

    森野:WordPressとのかかわり、OS的に活用した3つのサービス開発、今後の「Five for the Future」での貢献と、きれいな流れでお話がうかがえたのではないかと思います。本日はありがとうございました!

  • QAアナリティクスのCPU負荷対策について

    QAアナリティクスのCPU負荷対策について

    「QAアナリティクスを入れるとサイトが重くならないですか?」

    よく聞かれる質問です。 直接のご回答は、ホーム画面に表示されている「ページ表示速度」の項目を見てもらうと、皆さんのサーバーでどのくらい時間がかかっているか表示されています。

    ▼右下の「QAのページ表示速度」

    画像のサイトは一般的な月額1000円程度の共用サーバーですが10msec、つまり1000分の10秒であり、重いプラグインと比べると非常に軽い処理となっています。

     QAアナリティクスは、なるべくサーバー負荷が軽くなるように考え下記のポリシーで作っています。

    • リアルタイム処理ではなるべくCPUの負荷を下げる
    • 重たい集計処理は夜間に実行する。

    とはいえ、WordPressのプラグインでCPUの負荷を下げるのは簡単ではなく、少しずつ改善を試みて今に至ります。 今日は、そんなQAアナリティクスが実装する「CPU負荷の下げ方」についてご説明します。 

    ※プラグイン重くなる原因は一つだけではなく、CPU外にもデータベースの使い方がまずいなどが挙げられますが、今日は特にCPUに絞ってお伝えします。

    そもそも、なぜアクセス解析系のプラグインは重くなりがちなのか?

    QAの工夫をお伝えする前に、あまり知られていない、ちょっとした前提知識を共有させてください。

    WordPressでは、admin-ajaxという2006年から存在するajax通信の仕組みが存在しており、現在数多くのプラグインやテーマが利用しています。

    そしてビーコン型のアクセス解析プラグインの場合も、解析タグが稼働するとサーバーとajax通信を行い、アクセスデータを記録する仕組みになりますので、通常はadmin-ajaxが利用されます。

    そして、それが重い原因となっていきます。

    プラグインが重たくなるadmin-ajaxとは?

    admin-ajaxがひとたび稼働すると、利用しているすべての処理が起動されます。したがってアクセス解析のプラグインでこれを使うと、アクセスを記録する度にadmin-ajaxが起動し、関係ない処理も全部起動します。イメージでいうと、アクセスがある度にWindowsの再起動をしているようなものです。1分間に100ページビューがあれば100回の再起動。そりゃ時間もかかるし、重そうですよね。

    本来アクセス解析プラグインを作る側としては、自分が稼働するだけならなるべく無駄な処理は行わないようにしサーバー負荷を軽くしたいと考えますが、admin-ajaxを使うと、それは不可能です。したがって、アクセス数が多くなってくると、どんどんCPU負荷があがってしまいます。

    QAアナリティクスのCPU負荷を下げる仕組み

    CPU負荷を下げるにはWordPress標準のadmin-ajaxを使わずかつWordPressのルールに従ってajax処理を行わなければなりません。なぜならWordPress公式ディレクトリに公開するプラグインにおいて独自処理は許されていないからです。実際、QAアナリティクスのリリース初期はこの問題でずっと悩んでいました。しかしそれから3年の経験を経て、現在のQAアナリティクスでは下記2つの対策が行われています。

    1. WordPressのルールに従い最小構成でWordPressを起動することでCPU負荷を下げている 
    2. 高負荷時にはブラウザ側でキュー処理をする

    以下ご説明します。

    1.WordPressのルールに従い最小構成でWordPressを起動することでCPU負荷を下げている

    WordPressの起動にはSHORTINITモードという、Windowsのセーフモードのような起動モードがあり、そのモードで起動することでCPU負荷を下げることができます。

    QAアナリティクスはこのSHORTINITを活用することでCPU負荷を下げ、快適にサーバーを使えるようにしています。

    ちなみに、このSHORINITについて、WordPressの書籍も出されている野村圭さんやAutomattic社にスポンサーされてWordPressに携わっているBenさんやJonathanさんに聞いてみました。

    「日本にはほとんど情報がないよね」という見解で一致ですが、Pluginで利用するのは問題ないという見解を頂いています。またJonathanさんも過去に在籍したDelicious Brains でadmin-ajaxの負荷で困ってベンチマークをしたことがあるらしく、こんな記事を共有してくれました。ダークホースとしてmust-useを使う方法があるみたいです。

    ▼WP REST API vs admin-ajax.php vs Must-Use Plugin: Handling AJAX Requests in WordPress

    https://deliciousbrains.com/comparing-wordpress-rest-api-performance-admin-ajax-php/

    あとSHORTINITは注意点もあって、WordPress本体のバージョンに左右されるため検証が必須です。このあたりをコントロールしやすいプロダクトをWordPress界隈で有名なJJJさんが作成しているみたいです。

    https://github.com/JJJ/chelsea

    もしadmin-ajaxで困っている方がいれば参考にされてください。

    ※情報提供を頂いたみなさん、ありがとうございました。

    2.高負荷時にはブラウザ側でキュー処理をする

    QAアナリティクスではなるべく正確なデータを記録するため、最初にアクセス情報(ページビュー)を記録した後、Defaultでは3秒毎にページ位置やマウスクリックなどのイベントデータをサーバーに送信しています。 

    しかしサーバー負荷があがったことを検知した場合、ブラウザは3秒ごとの送信を停止し、データを自分自身に貯めます。そして再度3秒ごとのチェックでサーバー負荷が下がったことを検知するか、ページ遷移やフォームへの入力など特定のタグがクリックされた時のみ、貯めていたイベントデータを送信します。これをキュー処理といいます。

    このキュー処理により、ページ遷移したりコンバージョンするような重要なユーザーのデータを記録しながらも、サーバーへの通信頻度を減らし、サーバーの安定稼働を優先することができます。

    QAアナリティクスでは、不要かも知れないデータをとるためだけにお客様のサイト表示速度が遅くなるのは本末転倒だと考えています。従って高負荷時においては、アクセス情報(ページビュー)は確実に記録するようにし、残りのイベント計測は、より将来の分析に役立つユーザーの行動データ取得を優先しながら稼働します。

    実際どのくらい負荷が下がったの?

    弊社の検証環境において行った調査の結果を共有します。初期バージョンと比べ、速度は10倍、メモリの使用量は6分の1程度になっています。

    応答速度が10倍になったことからCPU負荷についても10分の1程度になっていると想定されます。実際負荷テストを行った結果において、1CPU(1core)での処理数において、admin-ajaxでは秒間20セッション程度でしたが、SHORTINITバージョンでは200セッションでも余裕がありました。CPUはレンタルサーバーによってまちまちなので一概にはいえませんが、負荷は10分の1になったといえます。

    なお、CPU以外にもQAではDBを使用しないなど様々な負荷対策を行っています。詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

    (余談)WordPressを使っているけど、Google Page Speed Insightsで見てもサーバーは遅くないよ?

    これは各レンタルサーバー会社の涙ぐましい努力のおかげです。サーバースペックの表をみると、毎月1000円程度でもCPUが6コア保証など、かなり贅沢なサーバー構成になっていることがわかると思います。

    つまりWordPressでプラグインや複雑な処理をたくさん入れることで、実はCPU負荷はあがっているのですが、それでも十分動くようなハイスペックなサーバーが裏で用意されているのです。

     「このままCPU負荷があがるなら、いつかサーバー料金の値上げをしなきゃいけないかも。。。」 

    あるレンタルサーバー会社の人と話した時の本音です。 もし他国で同様のサーバーを借りたら、毎月5,000円程度はくだらないそうです。感謝ですね。

  • 2023年のアクセス解析はどうなっていくのか?

    2023年のアクセス解析はどうなっていくのか?

    ※この記事は2023年1月16日QA Analyticsメルマガで配信した内容を掲載しています。


    QAアナリティクス

    Analytics Newsletter

    2023年のアクセス解析はどうなっていくのか?

    QAアナリティクスをご利用中の皆様。
    大変遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
    QAアナリティクスの広報を担当しています森野です。

    久しぶりのメールマガジンは2023年にアクセス解析はどうなっていくのか?というお話です。

    2023年はアクセス解析ツールの分岐点

    運用型広告の代理店で有名なアナグラムさんの記事から。

    GA4がまもなくGoogle Analyticsの新しい標準となるわけですが、単なるアップデート版ではなく完全に別物であることを加味すると、これまでUAを使い続けてきた企業にとっても、GA4への移行は不慣れなことが場合によって少なくない、と予想されます。

    2023年に注目していきたい、運用型広告周りの重要なトピックは?|アナグラム株式会社

    慣れたものから新しいものに切り替えるのは大変ですよね。
    しかも、GA4はどんどん進化しています。2022年には実に34回の機能追加がありましたので、これについていくのも簡単ではありません。

    こちらも運用型広告の代理店で有名なキーワードマーケティングの滝井さんはこう書かれています。GA4を導入する前提でどう利用するのか?という観点です。

    GA4の最大の肝は機械学習による予測です。過去28日間に操作をおこなったユーザーによって、今後7日間以内に特定のコンバージョンイベントが記録される可能性、つまり購入の可能性が示されるようになったことです。

    2023年にネット広告関連で滝井が注目している10のこと|株式会社キーワードマーケティング

    これは便利そうですよね。
    でも、落とし穴があって「過去7日間で1000件以上の購入データと購入しなかったデータ」が必要なのです。予測機能が動くのはかなりの規模のECサイトということになります。

    では、EC業界はどうなのでしょうか?
    EC業界では知らな人のいない竹内謙礼さんの記事です。

    今後は「GA4」を使いこなせるネットショップと、そうでないネットショップの二極化が加速していくと思われる。当然、データを使いこなせるネットショップのほうがきめ細やかな運営ができるので、売り上げを効率よく伸ばしていくことが可能になる。

    【2023年のEC業界を徹底考察】高く売る販売方法、動画、3大モール攻略、ネット通販+GA4など重要ポイントを解説 | 竹内謙礼の一筆啓上 | ネットショップ担当者フォーラム

    データを活用できないEC業者は淘汰されてしまう。と書かれています。
    コロナの影響でECが伸びました。それが今ではリアル回帰の流れさえあります。つまり、リアルとECのデータの両方がわからないとだめだよ。ということなんです。

    2023年のアクセス解析って大変そうですよね。

    プロダクトマネージャーの丸山の見解

    QAアナリティクスの丸山が2023年の展望記事でこう書いています。

    私は今後5~10年ほどで、アクセス解析ツールのメインテーマは、下記3点に集約されていくと予測しています。

    1. マーケッターがどのようにツールからヒントを得るか?(ビジュアライズ)
    2. ツールが自動でどのようなサービスを提供するか?(AI)
    3. プライバシーとパーソナライズの問題
    2023年アクセス解析ツール業界の展望 – アクセス解析&ヒートマップ QAアナリティクス

    ChatGPTではないですがAIが気を効かせて何でもやってくれそうな世界は目前です。そのAIもプライバシーの問題や法的な問題を抱えています。
    データは100%取れない前提で、ツールが出すデータから動いていかないといけないということですね。分析からアクションへ、です。

    ここまで読んでいただいた皆さんに改めてQAアナリティクスの特徴です。

    • クラウドでなく自社に大切なデータが溜まる。急なデータ削除やベンダーロックの心配がない
    • 設定不要で全データを取得する全録ツールは世界でも数個しかなく、かつ無料から使えるのはQAだけ
    • 有料版が「安っ!」と驚かれるくらい安い(実話)
    • 自動でバージョンアップしていく。追加費用なし
    • 日本人が作っているのでサポートが日本語でちゃんと返ってくる
    • すごく使いやすいと評判
    • 自社でインフラを選べばよく無駄なコストがかからず大規模にも対応できる
    • 大規模もスモールサイトも想定した特許を取得している(P7011367)
    • ベースがオープンソースであり、カスタマイズも可能
    • IPを含む個人情報を保存しないためプライバシーリスクが低い
    • 今春WordPress以外のサイトにも対応する

    日本人が使いやすさを考えて作っているので、安心して使ってくださいということですね。さらにWordPress以外のサイトでも使えるように動いています。

    まとめ

    GA4への移行は決まった未来です。ユニバーサルアナリティクスのデータも見られなくなるはずです。世間の流れに沿ってGA4を導入して使えるようにはしておいて、基本的な指標などを押さえる。

    GA4を入れる前提でWebサイトの改善には他のツールを導入する。つまり、目的に応じてツールを使い分けることが必要になってきます。1つのツールを深く使うのではなくて、いいとこどりをしましょう。という話。

    話題の「タイパ」ではないですが、解析している時間は最低限にしたいですからね。

    皆さんのWebサイト改善のためのルーツ改善とコンテンツ発信に頑張っていきます!

    本年もよろしくお願いいたします。

  • 2023年アクセス解析ツール業界の展望

    2023年アクセス解析ツール業界の展望

    新年おめでとうございます。QA代表の丸山です。

    ユニバーサルアナリティクスが停止する今年7月まで、いよいよ半年を切りました。

    2023年はアクセス解析ツールの分岐点

    2023年のアクセス解析業界のビッグイベントは、間違いなくユニバーサルアナリティクスの停止だと思います。 しかし、じゃぁ停止するからGA4を入れようと素直に考える前に、これはせっかくのチャンスと捉えてもらう方がきっと実りが多いです。そこで今日は、新年一発目の記事として、私が感じているこれから数年のアクセス解析ツールのトレンドをお伝えします。

    ※GA停止する前にデータをバックアップしたい方へ

    ユニバーサルアナリティクスのデータをバックアップし、QAアナリティクスのビューワーで見れるGoogle Analytics Data Backup by QAを作成しました。詳しくはこちら。

    https://ga-backup.com/

    アクセス解析ツールの本来の役割

    本来のアクセス解析ツールの役割について聞かれたら、おそらく多くの人がユーザー行動を分析し、サイト改善のヒントを得ることと答えるのではないでしょうか。

    それを表すかのように現在、海外ではセッションレコーディングやヒートマップなど、行動を可視化するツールの市場が拡がっています。 それらツールは、2022年12月のBusiness Research Insightsのレポートでは2027年まで年間25.89%で伸びると予測されています。

    ▼Recording and Session Replay Tools Market Size, Share, Growth, And Industry Analysis By Type (Cloud Based, On-Premise) By Application (SMEs, Large Enterprises) Regional Forecast to 2028
    https://www.businessresearchinsights.com/market-reports/recording-and-session-replay-tools-market-102462

    しかし、それも長期のトレンドでいえば小さな動きで。 私は今後5〜10年ほどで、アクセス解析ツールのメインテーマは、下記3点に集約されていくと予測しています。

    1. マーケッターがどのようにツールからヒントを得るか?(ビジュアライズ)
    2. ツールが自動でどのようなサービスを提供するか?(AI)
    3. プライバシーとパーソナライズの問題

    2022年はAI元年だった

    ことの発端は、昨年世の中を騒がせたAIです。

    ▼ChatGPT使い方総まとめ
    https://qiita.com/sakasegawa/items/82069c97a1ee011c2d1e

    ▼画像生成AI「Stable Diffusion」でイラストの要素を読み取ってオリジナルの要素を引き継いだイラストをサクッと生成可能にする「Tagger for Automatic1111’s Web UI」の使い方まとめ
    https://gigazine.net/news/20221122-stable-diffusion-tagger/

    どちらもAIの生成する「コンテンツ」が人間と遜色なくなっています。 このブログの下記アイキャッチ画像もAIに作ってもらいました。

    AI生成画像

    まだまだな所もありますが、メディアアーティストの落合陽一氏の予測では、2025年には人間を超えて高精度なコンテンツを生成しまくるAIが誕生するそうです。

    これは、近々ウェブコンテンツの一部分がAIにより補完可能であることを示しています。 そしてご存知の通りAIの精度を支えるのは「データ」です。

    巨人の思惑

    Googleの狙い

    Googleも当然AIに対して投資をしています。 主要な投資分野の一つは「パーソナライズの精度アップによる広告の自動化」です。

    そもそも今回、ユニバーサルアナリティクスが急に停止しGA4にとって代わるのは、投資対効果の改善と考えるのが自然です。 無料で大量のデータを保存し、集計する必要があり、かつAIに対するデータ提供ができないユニバーサルアナリティクスは、今やGoogleにとってお荷物です。

    そこで、まずGoogleとしてはAIの広告精度アップに役立つデータを取得できるGA4に変化をさせたい。 そうなると、ある程度アクセス数があり広告を出してくれるサイトが優先の設計になります。(規模がないと自動推測が難しいため) 

    GA4は広告ツールだと言われるのはそこで、もはやGoogleが弱小サイトのために無料の分析ツールを出す意味がありません。 なのでレポート系は後回しで、データ設計が先に進んでいます。が、思ったよりクレームが多いので分析機能の対応も急いでいるという印象を受けます。

    あとはGoogleもクラウドの利用者を増やしたいと考えているので、GA4を入口に分析プラットフォームとして発展させたい意図は感じます。しかしどうしても彼らのツールはエンジニア向きで敷居が高いので、そこが悩みになりそうです。

    マイクロソフトの狙い

    マイクロソフトはClarityというヒートマップツールを出してきました。 こちらは元からGoogleアナリティクスと競合せずに市場の隙間を縫うプロダクトとして設計されているはずで、ユニバーサルアナリティクスの停止は想定外だったと思います。ということで元々の狙いはGoogleとは若干異なると想定していますが、やはりAIが絡んでいます。

    彼らの狙いはMicrosoft Azureのパワーアップです。 例えば、ユーザーの行動パターンから、彼らの顧客管理アプリケーションに応用したり、ウェブサイトのコンテンツを動的に変化させるサービスなどが該当するでしょう。 これはAppierなど既存のAI企業が提供している機能によく似ています。

    人の行動パターンにはある程度規則性があることがわかっており、その直近の動作を見ることで、その次の動作を予測することが可能です。 従って、彼らが欲しいのはヒートマップではなく、たとえば、人がフォームを入力する時の行動データです。 ですからヒートマップを提供する代わりにそのデータを頂戴ね、ということになりますし、実際にサイトにもそのように書いています。

    ▼Clarity。永久に無料です(中程に無料の理由を書いてます)
    https://clarity.microsoft.com/pricing

    ということで無料提供はずっと続くと思いますが、もし彼らのサービスに今後変化があるとすると、彼らは直近のデータしか不要なため、おそらくデータ保存期間や集計期間を下げる可能性はありえると思います。

    巨人の盲点

    私は巨人の盲点は2つあると考えています。

    1つは分析ツールを作りたいわけではないこと。 もう1つはスモールビジネスの人間の能力を甘く見ていることです。

    どちらも彼らのビジネス上は正しい判断だと思われますが、これにより困る人達が出てきます。 QAはその人達向けに役立つサービスを作りたいと考えていますし、それにより、冒頭であげた3点をクリアできると考えています。

    1. マーケッターがどのようにツールからヒントを得るか?(ビジュアライズ)
    2. ツールが自動でどのようなサービスを提供するか?(AI)
    3. プライバシーとパーソナライズの問題

    QAアナリティクスは、セッションとイベントのデータをとりあえず全録し、自社にデータを貯めます。 そして、それを上記3つの観点で活用できるように発展させる予定です。QAアナリティクスが開発当初から「自立分散型行動データ分析プラットフォーム」と名乗っているのは、これらの動きを見据えてのもので、その関連特許(P7011367)も取得しています。

    2023年はアクセス解析ツールが面白い

    今年はGAの停止に伴い、ウェブ担当者としてどのツールを選ぶ、もしくは併用するかが問われる年になると思います。

    この時、アクセス解析ツールを今までのGAみたいなものと捉えれば深く考えずに済むのですが、お伝えしたようにサイト内のデータを取得し、様々なことができるツールだと捉えるとまた見え方がかわってくると思います。

    とどのつまり、AIもデータの上に形成されるものであり、データがこれから様々なサービスを生み出していきます。

    ツールに振り回されず、イニシアチブをとる

    昨年末のISMのLTにて、「サイトの質を上げる!ツールに振り回されない分析のポイント」としてお話をしたのですが、こんな反応を頂きました。

     ▼ISM LT 祭り 2022 開催レポート

    • 脳死でGA使ってたので、新しい視点でした。 
    • これは素晴らしい!!ユーザー行動の定義に悩んでいるのだが、そのヒントが満載でした。 
    • 「全録」「イニシアチブなかったんじゃない。ツール使わされてる」←記憶に残ったワードです。

    去年はAI元年でしたが、今年はそのベースとなるデータを取得するアクセス解析ツール元年だと思っています。 

    ここで紹介した以外にも様々なツールが出ていますので、ぜひ今年はツールにイニシアチブをもって少し調べてもらうと、アクセス解析の新しい面も見えてきて楽しんでもらえるのではないかと思います。

    どれ選んだらよい?

    ツール調査や比較がめんどくさい場合は、まずGA4は広告ツールなので入れて設定してもらって、あとはこれ宣伝ですけど、うちのQAアナリティクスを選んで頂ければ損はさせません。

    その割とまじめな理由を下記に列挙しておきます。

    • クラウドでなく自社に大切なデータが溜まる。急なデータ削除やベンダーロックの心配がない
    • 設定不要で全データを取得する全録ツールは世界でも数個しかなく、かつ無料から使えるのはQAだけ
    • 有料版が「安っ!」と驚かれるくらい安い(実話)
    • 自動でバージョンアップしていく。追加費用なし
    • 日本人が作っているのでサポートが日本語でちゃんと返ってくる
    • すごく使いやすいと評判
    • 自社でインフラを選べばよく無駄なコストがかからず大規模にも対応できる
    • 大規模もスモールサイトも想定した特許を取得している(P7011367)
    • ベースがオープンソースであり、カスタマイズも可能
    • IPを含む個人情報を保存しないためプライバシーリスクが低い
    • WordPress以外のサイトにも対応する(2023/6/16追記:対応しました!)
      https://qazero.com/

    嘘でしょ?というくらいメリットが多いのですけど、私はもともとマーケティングのコンサルタントでもあるため、自分達が使いやすいツールを作っています。問題点があるとすれば、小さなベンチャー企業がずっと改善を続けているのでしばしばUIにバグが出ることですが、そのあたりは他のツールも頻度の差こそあれ一緒かなと思っています。

    あと大切なこととして、私は日本がITで世界に負けているのが悔しく、なんとか日本から世界に通じるソフトを生み出したいと思っています。ぜひお使いいただき、フィードバックを頂ければ嬉しいです。2023年は一緒に日本から世界に勝負しましょう。

  • 2022年7月から8月初旬にかけて実施した、QA アナリティクスの機能修正・改善まとめ

    2022年7月から8月初旬にかけて実施した、QA アナリティクスの機能修正・改善まとめ

    QA アナリティクスは、7月27日にVer3.2.0.1にアップデートしました。

    QAは日々細かい機能修正や改善(もちろん不具合修正も)を行い、不定期にアップデートをしています。
    機能修正・改善の中には、お客様がより使いやすくなるよう自分たちで考えたものだけでなく、Twitterや直接ご連絡いただいたお客様の声を受けて検討・対応しているものも含まれます。

    Ver3.2.0.1では、目標設定ができるようになりました。
    QAアナリティクスでは2つのユーザー行動を目標として設定することができます。

    • 任意のページの閲覧(「お問い合わせ完了ページ」を見たなど)
    • 任意のクリック(「Amazonで買う」ボタンを押したなど)

    本ページでは、2022年7月から8月初旬にかけて実施した、QA アナリティクス機能修正や改善についてまとめています。

    Ver3.2.0.1 マイナーバージョンアップ

    機能追加)目標設定(Goal Setting)

    「Amazonアフィリエイトリンクをクリックした」「お申し込み完了ページを見た」などの特定のユーザー行動をとったセッションを目標とすることで、その達成数などが各種レポートで確認・分析できるようになりました。

    目標は、1つ設定できます。
    アップグレードすると、設定できる目標の数を増やすことができます。

    QAアナリティクスの目標設定機能は、Googleアナリティクスの目標設定と似ていますが大きな違いが2つあります。

    QAとGA、目標設定の違い

    1.QAの目標設定は、何回でも変更が可能

    目標設定の都度、目標達成セッションが再計算されるため、最初に設定を忘れていたり、ミスがあっても取り返しがつきます。

    2.QAの目標設定は、ボタンクリックの目標設定が楽

    Googleアナリティクスでは、「PDFダウンロード」など、ボタンのクリックイベントを目標設定するのは一手間必要です。

    QAでは、ヒートマップ計測対象ページのすべてのクリックを計測・データ保存しています。そのため、事前にイベント等の設定作業をすることなく、あとから画面上でカンタンに目標設定をすることができます。

    → 目標設定について詳しく見る

    機能追加)WPシステムアラート(負荷予防通知メール)配信機能

    QAアナリティクスでは、データ量とサーバーが処理する量は大きく関係します。

    PV数増加によりサーバーに負荷がかかりそうな場合などに、予防のためアラートメールをWordPressのシステムを利用して自動で送信できるようになりました。

    QAアナリティクスを初めて有効化、または初めてバージョン3.2以上に更新すると、「WPシステムアラート(負荷予防通知メール)の設定」画面が出てきます。

    同じ画面で、無料ニュースレターの案内も表示されます。ご希望の方は「YES」を選んでください。新機能紹介や、お得な割引キャンペーン情報、Web改善事例など、お役立ち情報をお送りします。

    QAアナリティクス「設定」画面の「メール」タブから、いつでも負荷予防通知メールの送り先の変更と無料ニュースレター購読の登録・解除ができます。

    → WPシステムアラート(負荷予防通知メール)について詳しく見る

    改善)一部情報の取得精度を向上

    QAではページの読み込み速度を確認できます。

    さらにアクセス詳細データのTSVファイルをダウンロードすると、サイト訪問ユーザーごとのページ表示速度が確認できます。

    処理プログラムを変更することで、より精度が高いページ表示速度を計測できるようになりました。

    改善)ライセンス認証の処理を変更

    拡張パックにのみ含まれる新機能「目標設定」をリリースしたタイミングで、ライセンス認証の内部処理を変更しました。

    拡張パックの料金には、基本的に今後も追加していく新機能が含まれています。

    → 詳しくは「機能・プラン」をご覧ください。

    改善)特定環境でデータが貯まらない問題に対応

    お客様からの問い合わせにより、PHP「filter_input」関数のバグに該当しているため、FastCGI が動いているサーバー環境においてデータが貯まらなくなっていることが判明しました。

    ▼PHPバグ内容

    FastCGI が動いているサーバー環境で、「filter_input」関数にてINPUT_SERVERまたはINPUT_ENVを指定した場合、返り値が空になる

    これに伴い「filter_input」関数を使用している箇所に対して対策を行いました。今回のver3.2.0.1から、FastCGI が動いているサーバー環境でもデータ取得が問題なく行われています。

    現在進行形の開発・調査など

    Google Search Console連携

    QAアナリティクスは次のバージョンで、Google Search Console連携をリリースする予定です。

    連携を実現するため、Google公式が提供しているWPプラグイン「Site Kit by Google」やGoogle APIを調査・分析し、実装方法を検討・開発しています。

    さまざまな実装方法を調査・検討した結果、現在、Google APIを利用した連携方法での開発を進めています。

    Google APIを使用するため、OAuth認証に必要な「クライアントID」と「クライアントシークレット」をお客様に入力いただく画面と簡易なマニュアルも合わせて作成中です。

    海外ユーザー向け決済システム

    海外のお客様にも快適に使っていただけるよう、決済システムなどを調査しています。
    また順次サポートサイトや機能・プランの情報など、必要な情報から英語化を進めていく予定です。

    これから予定しているアップデート

    現在開発中で機能追加や改善などリビジョンアップデートを予定しているものを最後にお知らせします。(開発期間が延びてしまって遅れてしまったらごめんなさい…)

    • Google Search Console連携(10月頃)
    • 新パックプランリリース(8-9月予定)
    • 現行Google アナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)のデータ移行機能
    • 自社解析サーバー

    少ない開発メンバーながらもしっかりとした調査・分析・設計・開発・サポートを行っていますので、次回のアップデートを楽しみにお待ちください。

    QAの活用方法をもっと知りたい方へ

    8月25日木曜日 a2i主催のランチタイムセッションで、QAアナリティクスのプロダクトマネージャである丸山耕二が登壇します。

    a2iの有料会員は無料(申込み不要)です。
    a2iの会員じゃない方も1,000円で参加できますので、QAにご興味がある方はぜひご参加ください。

    気軽にQAについて質問してもらえるような雰囲気のランチタイムセッションです。

  • a2iのセミナー(8/25 12:00-)に登壇してQA紹介します!

    8月25日木曜日 a2i主催のランチタイムセッションで、QAアナリティクスのプロダクトマネージャである丸山耕二が登壇します。

    ▼【ランチタイム開催】「WordPress専用解析ツール QAアナリティクスを紹介します。」|2022/8/25(木)

    a2iの有料会員は無料(申込み不要)です。
    a2iの会員じゃない方も1,000円で参加できますので、QAにご興味がある方はぜひご参加ください。

    25日当日、司会は渋谷泰一郎さん(株式会社ナンバー)、Twitter担当は森野誠之さん(運営堂)が担当されます。
    森野さんによるTwitter実況やつぶやきも楽しそうです。

    今回はライチタイムセッションですので、気軽にQAについて質問してもらえるような雰囲気でやりたいと思っています。

  • 2022年6月から7月初旬にかけて実施した、QA アナリティクスの機能修正・改善まとめ

    2022年6月から7月初旬にかけて実施した、QA アナリティクスの機能修正・改善まとめ

    QA アナリティクスは、7月5日にVer3.1.0.0にアップデートをしています。

    QAは日々細かい機能修正や改善(もちろん不具合修正も)を行い、不定期にアップデートをしています。
    機能修正・改善の中には、お客様がより使いやすくなるよう自分たちで考えたものだけでなく、Twitterや直接ご連絡いただいたお客様の声を受けて検討・対応しているものも含まれます。

    Ver3.1.0.0では、WordPress管理画面のダッシュボードにQAレポートを表示できるようになりました。
    日々のサイト運用でWordPressにログインをしたとき、気になる「アクセス推移」と「アクセスが伸びているページ」、「リアルタイムのアクセス状況」がパッと分かります。

    本ページでは、2022年6月から7月初旬にかけて実施した、QA アナリティクス機能修正や改善についてまとめています。

    Ver3.1.0.0 マイナーバージョンアップ

    機能追加)WordPress管理画面のダッシュボードにQAレポートを表示

    WP管理画面左メニューから「QA アナリティクス」まで行かなくても、WPにログインしたらすぐにアクセス状況が確認できるようになりました。

    改善)「ホーム→ユーザーを探す」フォームでの検索に前方一致と完全一致に対応

    ページURLを入れるとそのページに絞り込んでデータを見ることができる「ユーザーを探す」機能。

    これまではURLが完全一致したものだけが表示されるようになっていましたが、今回の改善ではURLの前方が一致すればデータを見られるようになっています。
    たとえば、特定のカテゴリーに含まれるページを絞り込んでデータを見たいときに便利です。

    不具合修正)ヒートマップバージョン切替後、アクセスが0のとき「ver.xx切替」の表示が消えない不具合を修正

    ヒートマップのページバージョン切替を行ったあと、アクセスが0(クリックやページビューがない)のとき、ヒートマップ管理画面で「ver.xx切替」の表示が消えない不具合がありました。
    (※上画像参照)

    今回のマイナーバージョンアップで修正しています。

    不具合修正)QAフィルターが不要な箇所に出ていた部分を修正

    QAフィルターはExcelのフィルターのような使い勝手で、データを絞り込んで閲覧することができる機能です。

    ▼QAフィルターとは
    https://mem.quarka.org/manual/howto-use-qa-filter/

    QAでは共通の処理として多くの表(データテーブル)がありますが、一部不要な箇所にQAフィルターを実装していましたので修正を行いました。

    改善)リアルタイムビューで、さらに正確な滞在人数を表示

    これまでのQAは、よくある解析ツールと同様に、ユーザーがサイトに訪れた時のみリアルタイムビューへアクセスを反映させていました。
    しかしこれは、リアルタイムビューと言いつつも本当のリアルタイムではありません。

    例えばユーザーがサイトにアクセス後、30分間滞在し続けたとしても、QAリアルタイムビュー画面の「1分あたりのユーザー数」にこのユーザーが反映されません。

    今回のバージョンからは、サーバーやサイトになるべく負荷をかけずに、1分あたりのユーザー数へ表示を反映し続ける処理を組み込みました。

    これにより、Google アナリティクス等のよくある解析ツールよりも精度の高いリアルタイム表示が可能となっています。

    WordPressテーマ「Lightning」、QA検証完了

    株式会社ベクトル様にご協力いただき、WordPressテーマ「Lightning」の検証が完了しました。

    QAアナリティクスは、WordPressの標準的な機能(関数)を活用し、JavaScriptによる計測タグを用いて自動でデータ収集を行います。
    その性質上、WordPressの最新機能やトリッキーな機能を使っていたり、JavaScriptに影響を与えるキャッシュ機能を保有するようなWordPressテンプレートとの間で、一部不具合が発生する可能性があります。

    QA開発チームでは、テンプレート開発者様にご協力いただいて、QAとテンプレートとの相性について検証を行っています。詳しくは「QA検証にご協力頂いたWordPressテンプレート一覧」をご覧ください。

    サポートサイトを分かりやすく整理しました

    QAは難しいツールではないため、使い方マニュアルがほぼ不要ですぐに使えます。
    サポートサイトは必要に応じて順次内容を追加しています。

    最初のリリースから2年経つとサポートサイトが分かりづらくなっていたため、5月の大幅な仕様変更(ver3.0)に対応するとともに、分かりやすく整理しました。

    ▼QAサポートサイト(マニュアル・仕様)
    https://mem.quarka.org/manual/

    QAのバージョンについて簡単にご説明

    開発メンバーがバージョンアップをリリースするときにつけているバージョン。
    今回は「3.1.0.0」、6月のアップデートは「3.0.1.0」。
    この違いについて、広報・マーケ担当が疑問に思ったので開発メンバーに聞いてみました。

    QAのバージョンに対する考え方について簡単にご説明します。

    • メジャーバージョン
      • QAを根本から変更。5月17日のver3.0.0.0へのアップデートが該当。
    • マイナーバージョン
      • QAに大幅な仕様変更・機能追加をする。メジャーバージョンが変わらないので、新しく追加した機能以外はユーザーはこれまでと同じ使い勝手で利用できる。
      • 7月のver3.1.0.0では、WPダッシュボードにQAレポートのウィジェットを表示させる新機能追加と、フォーム検索で前方一致と完全一致ができるようになる仕様変更のため、マイナーバージョンアップ。
    • リビジョン
      • 仕様修正・機能追加を伴わない軽微な変更。
      • 6月初旬のver3.0.1.0では、ユーザーの使い勝手をよくするための改善や細かい仕様変更を行ったためリビジョンアップデート
    • ビルド
      • バグや不具合の修正。

    これから予定しているアップデート

    現在開発中で機能追加や改善などリビジョンアップデートを予定しているものを最後にお知らせします。(開発期間が延びてしまって遅れてしまったらごめんなさい…)

    目標設定

    目標設定機能は、6月末から7月初旬にかけてアップデート予定です。

    お客様が分かりやすく使いやすいコンバージョン設定・確認画面を模索しながら開発を行なっています。

    画像は現時点の開発中の画像なので、リリース時点で変更になる可能性がありますことをご了承願います。

    他にもSearch Console連携などの開発を進めていますので、次回のアップデートを楽しみにお待ちください。

  • QAが稼働するWordPressテンプレート一覧

    QAが稼働するWordPressテンプレート一覧

    QAアナリティクスは、WordPressの標準的な機能(関数)を活用し、JavaScriptによる計測タグを用いて自動でデータ収集を行います。

    その性質上、WordPressの最新機能やトリッキーな機能を使っていたり、JavaScriptに影響を与えるキャッシュ機能を保有するようなWordPressテンプレートとの間で、一部不具合が発生する可能性があります。

    そこでQA開発チームでは、有償無償問わず、QAとテンプレートとの相性について検証を行い、稼働確認がとれたものをこちらのページでお伝えしていっています。

    しかし残念ながら、小さいチームでQAの開発も同時にやっているため、なかなかこちらの検証は遅くなっています。

    また、もし検証にご協力頂けるテンプレート開発者様や、あるテンプレートを使っていて「動いたよ!」というユーザー様は、こちらからご連絡くださいませ。その結果をこちらのページで公表させて頂きます。

    検証済みのテンプレート一覧

    Lightning

    URLhttps://lightning.vektor-inc.co.jp/
    ご協力情報提供とプラグインの提供を頂きました。
    検証結果2022/6 問題なく稼働しました。

  • 2022年5月から6月初旬にかけて実施した、QA アナリティクスの機能修正・改善まとめ

    2022年5月から6月初旬にかけて実施した、QA アナリティクスの機能修正・改善まとめ

    QA アナリティクスは5月17日にver3.0にバージョンアップし、大きく生まれ変わりました。
    大幅に仕様を変更したり機能を追加するバージョンアップだけでなく、QA アナリティクスは日々細かい機能修正や改善(もちろん不具合修正も)を行い、不定期にリビジョンアップデートをしています。

    機能修正・改善の中には、お客様がより使いやすくなるよう自分たちで考えたものだけでなく、Twitterや直接ご連絡いただいたお客様の声を受けて検討・対応しているものも含まれます。
    そしてお客様が「変わった」と体感できるものだけでなく、分かりづらい内部プログラムの微調整もリビジョンアップデートでは実は含まれているんです。

    本ページでは、2022年5月から6月初旬にかけて実施した、QA アナリティクス機能修正や改善についてまとめています。

    ver3.0 バージョンアップ(5月17日)

    ver3.0 主な変更点

    • プラグインの名称を「QA Analytics」に変更
    • 料金プラン・サポートプランの改定
    • アナリティクス機能を強化
    • アナリティクスデータのデフォルト保存期間を2年間延長
    • ヒートマップデータのデフォルト保存期間が28日間に短縮
    • ヒートマップビューのデータ数表示を有効データ数に変更
    • 管理画面のメニューを整理
    • お友達紹介プログラムの廃止

    詳しくはこちらをご覧ください。

    機能修正)ヒートマップビューのデータ数表示を有効データ数に変更

    有効データ数とは、有効なヒートマップデータの数です。

    ヒートマップデータのデフォルト保存期間(28日間)を過ぎるとデータは削除され、表示されなくなります。保存期間の延長機能を購入することで、ヒートマップデータ保存期間を5年間に延長でき、より正しい分析を行うことができます。

    ver3.0.1.0 リビジョンアップデート

    機能追加)Gutenberg使用時、投稿画面下にページバージョン更新のメタボックスを表示

    記事の文章リライトやボタン配置の変更など、記事の内容が変わると画面(見た目)が変わります。

    WordPress管理画面の左メニュー「ヒートマップ管理」から、リライトなど変更を行ったページに対して「ページバージョンを更新する」ことで新しい画面でヒートマップを見ることができます。

    しかしこの作業をついつい忘れてしまって、古い画面のままヒートマップを見てしまって間違った情報で分析してしまうこともあります。「記事を更新するタイミングで、投稿画面のままQAのページバージョン切替ができれば忘れなくていいのに…」という内外の声を受けて、投稿画面下にページパージョン更新のメタボックスを表示する機能を追加しました。

    QA ヒートマップのページバージョンを更新する

    ※)WordPressブロックエディターGutenbergをご利用されている投稿画面のみ表示されます。

    改善)処理負荷軽減のため、ヒートマップ管理画面の表示仕様を一部変更

    QAのヒートマップ管理画面では、WordPress関数get_posts()を使ってデータを取得し、QA用のデータベースにも存在していない記事の一覧を取得し計測チェックを行っていました。
    get_postsの処理が重かったため、直接WordPressのDBにアクセスし、postやtermの必要最低限の情報を取得するように開発・変更しています。

    これにより処理負荷が軽減され、より正しいデータが確認できるようになりました。

    改善)URLを小文字にエンコード・統一する対応

    これまでURLが大文字・小文字の違いがあったり、日本語URLが入っていたりなどした場合には、同じページでも異なるURLと認識して表示されていました。

    今回のリビジョンでは、QA用のデータベースでURLを小文字にエンコード・統一する対応を行っています。

    ただヒートマップ管理画面では同じページで複数URLが存在している場合には、現時点ではもっともデータ数が多いURLを表示しています。これについては引き続き検証・開発を続けていっています。

    仕様変更)ページを見たユーザーを抽出する際、エンコードしたURLで検索できるように

    URLをコピペしてエンコードしたURLで抽出

    日本語だとエラーが表示されるようになりました

    上記の「URLを小文字にエンコード・統一する対応」に伴い、該当ページを見たデータを抽出する「ユーザーを探す」機能において、URLをコピペしてエンコードしたURLのままでデータが抽出できるようになりました。

    これに伴い、日本語URLでアクセスしたユーザーもエンコードされたURLでアクセスしたユーザーも、同じページへのアクセスデータとしてカウントされるため、これまでよりも分かりやすくなりました。

    これから予定しているリビジョンアップデート

    現在開発中で機能追加や改善などリビジョンアップデートを予定しているものを最後にお知らせします。(開発期間が延びてしまって遅れてしまったらごめんなさい…)

    目標設定

    目標設定機能は、6月末から7月初旬にかけてアップデート予定です。

    お客様が分かりやすく使いやすいコンバージョン設定・確認画面を模索しながら開発を行なっています。

    画像は現時点の開発中の画像なので、リリース時点で変更になる可能性がありますことをご了承願います。

    より正確なデータ取得のため、一部データの取得仕様を変更

    データの取得タイミングが早くなります。サーバーサイドで処理するため、タグ設置型のアクセス解析ソフトに比べ、いち早く稼働し、より正確なデータが取得できるようになります。

    botのアクセス解析にも有償カスタマイズで対応可能となる予定です。

    WordPress管理画面ダッシュボードのQAウィジェット

    アップデート時期はまだ未定ですが、WordPress管理画面にQAウィジェットが出せるようになる予定です。

    WP管理画面左メニューから「QA アナリティクス」まで行かなくても、WPにログインしたらすぐにアクセス状況が確認できるようになります。

    画像は現時点の開発中の画像なので、リリース時点で変更になる可能性がありますことをご了承願います。

    他にもSearch Console連携などの開発を進めていますので、次回のアップデートを楽しみにお待ちください。

  • 2022年5月17日、QAは大きく生まれ変わります

    2022年5月17日、QAは大きく生まれ変わります

    2022年5月17日、QAは大きく生まれ変わります。

    背景

    私たちは「データは意思のあるすべての人が公平に手に入れるべきパワー」であり、「すべての人が観察を楽しみながら、データからインスピレーションを得られる」未来を実現したいと本気で考えて、QAの開発を続けています。

    来年2023年7月1日に現行Google アナリティクス(ユニバーサル アナリティクス)は計測を停止します。今後はGA4を使うことをGoogleは推奨していますが、GA4は導入するための学習コストを考えるととても難易度が高いツールです。

    GAとQAを使ってユーザーのみなさまがサイトを改善できれば、と考え、これまでQAは、ページでのユーザー行動解析に主軸を置いて提供をしてまいりました。

    アクセス解析を専門にしている人はともかくとして、GA4をこれから勉強しさらに設定を外注してまで使う必要がないサイトも多いと思います。実際にこれからのアクセス解析で困っている声を多く聞いています。

    そこでQAは開発ロードマップを見直し、アナリティクス機能を充実させることを先行して無料で提供することにしました。

    (※月間10万pvまで無料。有料オプションあり)

    変わるポイント

    1. アナリティクス機能を強化
    2. 料金プラン・サポートプランの改定
    3. 「QA アナリティクス」に名称変更

    1. アナリティクス機能を強化

    QAホーム画面が変わります

    追加予定のアナリティクス機能とレポート

    • 30分前の訪問者のリアルタイム録画再生
    • すべてのPVデータをダウンロード
    • 新規/リピーターなどユーザーに絞り込んだセッションレポート
    • 集客チャネルに絞り込んだセッションレポート
    • ユーザーがアクセスしたページのセッション状況レポート
    • ランディングページの伸び率把握
    • コンバージョンページのアクセス状況把握レポート
    • 特に気になる1ページのユーザー行動をヒートマップで把握

    アナリティクスレポート画面

    計測タグ設置不要

    QAはWordPress公式プラグインです。
    WordPress管理画面からプラグインを新規追加するだけですぐに計測を開始します。
    よくあるアクセス解析ツールのように、各ページに計測タグを設置する必要がありません。

    2. 料金プラン・サポートプランの改定

    料金プランおよびサポートプランが5/17に変更になります。
    なお有料プランをご利用のみなさまは、ご契約いただいているプランにより金額が変更となる場合がございますので、別途個別メールでご案内をお送りいたします。

    料金改定のポイント

    • 10万pv/月まではほぼ無料で使える
    • ライセンスプランから、必要な機能を追加する料金体系へ変更
    • 必要なサポート(個別・コミュニティ)を追加できる
    • 機能がパッケージされた拡張パックの提供
    • お友達紹介プランの廃止・新規参加申込み停止

    10万pv/月まではほぼ無料で使える

    月間10万pvまでのWordPressサイトはQAをほぼ無料で利用できます。

    無料に含まれる機能

    • 30分前の訪問者のリアルタイム録画再生
    • すべてのPVデータをダウンロード
    • 新規/リピーターなどユーザーに絞り込んだセッションレポート
    • 集客チャネルに絞り込んだセッションレポート
    • ユーザーがアクセスしたページのセッション状況レポート
    • ランディングページの伸び率把握
    • コンバージョンページのアクセス状況把握レポート
    • 特に気になる1ページのユーザー行動をヒートマップで把握
    • PVデータ保存期間:2年間

    ライセンスプランから、必要な機能を追加する料金体系へ変更

    「パーソナルプラン」「エンタープライズプラン」、ボリュームライセンスの「ライトプラン」「ビジネスプラン」「エージェントプラン」を廃止し、サイトにとって必要な機能を必要なタイミングで、オプションとして追加できる料金体系に変わります。

    既存のプランのお申込みは5月9日(月)で停止し、新料金体系でのお申込みは5月17日(火)より開始となります。

    追加できるオプション機能

    (消費税込価格)

    • 安全に計測するためのQA強化ライセンス
      • 月間10万-30万pv(2,750円/月)
      • 月間30万pv超え 都度お見積
    • アナリティクス機能
      • pvデータ保存期間を2年から5年間へ延長(150円/月)
      • Googleデータポータル連携(550円/月)
    • ページ・クリエイティブ機能
      • ヒートマップおよび録画再生 全ページデータ取得・閲覧(3,300円/月)
      • ヒートマップ・録画再生・目標設定(イベント)のデータ保存期間を5年間へ延長(400円/月)

    2023年にかけて、「カンタン目標設定」「他社レポーティングツールAPI連携」「Search Console連携」「既存ユニバーサルアナリティクスのデータ移行ツール提供」「自動でサイト・ページ改善アドバイス」などの機能開発を予定しています。詳しくは開発ロードマップをご参照ください。

    参考:現在パーソナルプランご利用のお客様について

    現在のパーソナルプランには、上記オプション機能のうち「pvデータ保存期間を2年から5年間へ延長」「ヒートマップおよび録画再生 全ページデータ取得・閲覧」「ヒートマップ・録画再生・目標設定(イベント)のデータ保存期間を5年間に延長」が含まれています。
    そのため10万pv/月までのサイトでは、現在のパーソナルプランと料金に変更はございません。

    10万pv/月を超えるサイトの場合には「QA強化ライセンス」が必要となります。

    詳しくは個別にメールでご案内いたします。

    必要なサポート(個別・コミュニティ)を追加できる

    QAはWordPress公式プラグインのため、ほとんどのサイトで問題なく稼働しています。
    追加していただいた機能に関する製品サポートは、サポートサイトのフォーラムで行います。

    それ以外に個別の保守サポート、QAを活用したサイト改善についてのご相談など、必要に応じてサポート契約を別途締結できます。

    (消費税込価格)

    • グループコミュニティサポート
      • 2,970円/月(税込)
      • サイト分析・改善目的に合わせたQA活用方法や運用方法など、QA開発チームおよびご契約いただいたみなさまと、グループチャットで相談や情報交換を行える
    • ビジネスサポート(~30万pvまで)
      • 11,000円/月(税込)
      • NDA契約・請求書・銀行振込対応
      • お客様固有環境でのみ発生したトラブルの調査・問題切り分け
      • グループコミュニティサポート(2,970円/月)を含有
      • 導入・トラブル時の個別サポート対応(メール)
    • エンタープライズサポート(30万pv超)
      • 別途お見積
      • 請求書・NDA契約・銀行振込対応
      • お客様固有環境でのみ発生したトラブルの調査・問題切り分け
      • グループコミュニティサポート(2,970円/月)を含有
      • 導入・トラブル時のサポート対応(メール・電話・チャット)

    機能がパッケージされた拡張パックの提供

    月間10万PV~30万PVまでのサイトにご利用いただける、必要な機能がパッケージ化されたお得な拡張パックをご提供する予定です。

    拡張パックは、今後追加される機能に関してほぼ追加費用は必要ありません。(一部除外機能あり)
    必要に応じて機能単体で追加するよりも、トータル価格はかなりお得な費用でご提供する予定です。

    お友達紹介プランの廃止・新規参加申込み停止

    QAはアナリティクス機能を充実し、ほぼ無料で使える範囲が広がりました。リアルタイムではすべてのセッションの録画再生を確認することができるようになります。

    これまでヒートマップが3ページ以上確認できるお友達紹介プラン(フレンドプラン)を提供してまいりましたが、5/11を持ってお友達紹介プランを廃止し、新規参加申込みの受付等すべて停止いたします。

    すでにお友達紹介プランをご利用いただいているお客様は、そのまま継続してフレンドプランライセンスをご利用いただけます。

    3. 「QA アナリティクス」に名称変更

    QAは2020年にβ版をリリースして以降、ご利用いただいているお客様の声を聞きながら常に進化してまいりました。無駄な機能は極力そぎ落とし、多くのデータを収集しながらサイトに負荷をかけず、シンプルでかつ本当にサイト運営に役に立つ情報を提供することに注力しています。

    実はこの2年間、機能が追加するごとにこっそりと少しだけ名前が変わっていたのですが、2022年5月17日(予定)、QAは「QA アナリティクス」に名称変更いたします。


    2022年5月17日には詳しい内容を発表いたしますので、それまでもうしばらく新しいQAを楽しみにお待ちください。